“寄(よせ)” の例文
宿し奉りし處御部屋住(おんへやずみ)の儀(ぎ)成(なれ)ば後々召出さるべしとの御約束にて夫迄(それまで)は何れへ成とも身を寄(よせ)時節(じせつ)を待べしとの上意にて御墨附(おんすみつき)御短刀(おたんたう)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百樹曰、余牧之老人が此書の稿本(かうほん)に就(つき)て増修(ぞうしう)の説(せつ)を添(そへ)、上梓(じやうし)の為(ため)に傭書(ようしよ)へ授(さづく)る一本を作るをりしも、老人が寄(よせ)たる書中に
永(なが)く牢(ひとや)に繋(つなが)れし人間(ひと)の、急に社会(このよ)へ出でし心地して、足も空に金眸(きんぼう)が洞(ほら)に来(きた)れば。金眸は折しも最愛の、照射(ともし)といへる侍妾(そばめ)の鹿を、辺(ほとり)近くまねき寄(よせ)て、酒宴に余念なかりけるが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
さすがの美人が憂(うれい)に沈(しずん)でる有様、白そうびが露に悩むとでもいいそうな風情(ふぜい)を殿がフト御覧になってからは、優(ゆう)に妙(たえ)なお容姿(ようす)に深く思いを寄(よせ)られて、子爵の御名望(ごめいぼう)にも代(かえ)られぬ御執心と見えて
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
聞(きゝ)てオヽ嬉(うれ)しや申し重四郎樣と云ながら直(つ)と身を寄(よせ)其縁談(そのえんだん)は彼(あ)の大津屋段右衞門の後家(ごけ)にて縁女(えんぢよ)はお恥(はづか)しながらと口籠(くちごも)り顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百樹曰、余牧之老人が此書の稿本(かうほん)に就(つき)て増修(ぞうしう)の説(せつ)を添(そへ)、上梓(じやうし)の為(ため)に傭書(ようしよ)へ授(さづく)る一本を作るをりしも、老人が寄(よせ)たる書中に
扨(さて)も番頭久兵衛は種々事を左右に寄(よせ)百兩の盜賊は大橋文右衛門に相違(さうゐ)なき旨(むね)申し立ると雖も大岡殿は心眼(しんがん)を以て善惡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その不思議といふは、昔より此逃入村の人手習(てならひ)をすれば天満宮の祟(たゝり)ありとて一村の人皆無筆(むひつ)なり。他郷(たきやう)に身(み)を寄(よせ)て手習すれば祟(たゝり)なし。しかれども村にかへれば日を追(おひ)て字(じ)を忘(わす)れ、終(つひ)には無筆となる。
その不思議といふは、昔より此逃入村の人手習(てならひ)をすれば天満宮の祟(たゝり)ありとて一村の人皆無筆(むひつ)なり。他郷(たきやう)に身(み)を寄(よせ)て手習すれば祟(たゝり)なし。しかれども村にかへれば日を追(おひ)て字(じ)を忘(わす)れ、終(つひ)には無筆となる。