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がくせつ
戀に
迷ふを
笑ふ
人は、
怪しげな
傳説、
學説に
迷はぬがよい。
戀は
人の
至情である。
恁云ふ
學説は、
唯種々の
學説を
集めて
研究したり、
比較したりして、
之を
自分の
生涯の
目的としてゐる、
極めて
少數の
人計りに
行はれて、
他の
多數の
者は
其れを
了解しなかつたのです。
と
云ふものは、
碌々貝塚を
發掘して
見もせずに、
直ちに
地中の
秘密を
知つた
振をして、
僅少なる
遺物を
材料に、
堂々たる
大議論を
並べ、
然うして
自個の
學説を
立てるのに
急な
人が
無いでも
無い。
貴方が
例證に
引きなすつたストア
派の
哲學者等は
立派な
人達です。
然しながら
彼等の
學説は
已に二千
年以前に
廢れて
了ひました、もう一
歩も
進まんのです、
是から
先、
又進歩する
事は
無い。
進んでは
自分で
學説を
立てるとまで——
先づ
今日では
成つたのである。