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婢僕
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ひぼく
ふりがな文庫
“
婢僕
(
ひぼく
)” の例文
擬
(
まが
)
いの神尾主膳に附添いの者共はみな集まって来たし、この家の主人や
婢僕
(
ひぼく
)
までもみな廊下のところに、そっと様子を見に来ている。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
早く行て船室へ場を取りませねばと立上がれば
婢僕
(
ひぼく
)
親戚
上
(
あが
)
り
框
(
かまち
)
に
集
(
つど
)
いて荷物を車夫に渡す。忘れ物はないか。御座りませぬ。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
主人は以前の
婢僕
(
ひぼく
)
を
誉
(
ほ
)
め、婢僕は
先
(
せん
)
の旦那を慕う。ただに主僕の間のみならず、後妻をめとりて先妻を想うの例もあり。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼はあたかも自分で経験してきたかのように、自然に反した
陰鬱
(
いんうつ
)
な不健全なその生活——中流社会が
婢僕
(
ひぼく
)
に課している普通の生活——を見て取った。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
如何に
婢僕
(
ひぼく
)
にかしずかれて快い安逸を
娯
(
たの
)
しむか。如何に数多の女共によって天国の楽しみを味わうか。
南島譚:01 幸福
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
夫の
弟妹
(
ていまい
)
などは家の弟妹のごとく可愛がりその上
婢僕
(
ひぼく
)
は自分の子供のごとくによく
憫
(
あわれ
)
んで使ってやれ
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
夏五月には
田能村竹田
(
たのむらちくでん
)
が水西荘に来り宿した。「重叩柴門感曷勝。一声認得内人譍。」
剥啄
(
はくたく
)
の声に応ずるものは、門生にあらず、
婢僕
(
ひぼく
)
にあらず、未亡人里恵であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
富家
(
ふか
)
にありてはただ無知
盲昧
(
もうまい
)
の
婢僕
(
ひぼく
)
に接し、
驕奢
(
きょうしゃ
)
傲慢
(
ごうまん
)
の
風
(
ふう
)
に
慣
(
なら
)
い、貧家にありては
頑童
(
がんどう
)
黠児
(
かつじ
)
に交り、
拙劣
(
せつれつ
)
汚行
(
おこう
)
を学び、終日なすところ、ことごとく有害無益のことのみ。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
現実と
堙滅
(
いんめつ
)
とのみである。そこでは、
壜
(
びん
)
の底は泥酔を告白し、
籠
(
かご
)
の柄は
婢僕
(
ひぼく
)
の勤めを語る。そこでは、文学上の意見を持っていた
林檎
(
りんご
)
の種は、再び単なる林檎の種となる。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
家に
婢僕
(
ひぼく
)
なく、
最合井
(
もあいい
)
遠くして、雪の朝、雨の夕の
小言
(
こごと
)
は我らも聞き
馴
(
な
)
れたり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
もっぱら西洋の
割烹
(
りょうり
)
を用い。
家屋
(
すまい
)
も石造
玻窓
(
はそう
)
にかぎり。衣服は筒袖
呢布
(
らしゃ
)
ならでは着するを
厭
(
いと
)
い。家の
婢僕
(
ひぼく
)
に至るまでも。わが国振りの衣服を着せしめず。皆洋服の
仕為着
(
しきせ
)
を用いしむるまでにして。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
下士はよき役を
勤
(
つとめ
)
て
兼
(
かね
)
て家族の
多勢
(
たぜい
)
なる家に非ざれば、
婢僕
(
ひぼく
)
を使わず。
昼間
(
ひるま
)
は町に
出
(
い
)
でて物を買う者少なけれども、夜は男女の
別
(
べつ
)
なく町に
出
(
いず
)
るを常とす。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
小さな中流人士の多くと同様に、二人の子供は、
婢僕
(
ひぼく
)
や農夫などの平民たちから遠ざかっていた。二人は彼らに会うと、多少の恐れと
嫌悪
(
けんお
)
とを心の底に覚ゆるのだった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
若い時分には、曲ったこと、間違ったことと思う場合はなかなか烈しく喰ってかかることもあったが、弱いものにはいつもやさしかった。
婢僕
(
ひぼく
)
などを叱ったことはほとんどなかったそうである。
工学博士末広恭二君
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
既往
斯
(
かく
)
の如くなれば現今も斯の如し。将来も
亦
(
また
)
斯の如くならんと勘弁す可し。
婢僕
(
ひぼく
)
の過誤失策を叱るは、叱らるゝ者より叱る者こそ見苦しけれ。主人の慎しむ可き所なり。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ごくパリー式な
婢僕
(
ひぼく
)
の軽薄さと、自分にわからないものしか賞賛しないごく
田舎
(
いなか
)
式な婢僕の深い
愚蒙
(
ぐもう
)
さとから、離れていたので、その明識でもって彼女は、遊戯的な音楽やつまらぬ
饒舌
(
じょうぜつ
)
など
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ソレカラ案内に
連
(
つれ
)
られて止宿した旅館は、
巴里
(
パリ
)
の王宮の門外にあるホテルデロウブルと云う広大な家で、五階造り六百室、
婢僕
(
ひぼく
)
五百余人、旅客は千人以上
差支
(
さしつかえ
)
なしと云うので
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
婢僕
(
ひぼく
)
の本分
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
第六、上士族は
大抵
(
たいてい
)
婢僕
(
ひぼく
)
を使用す。たといこれなきも、主人は
勿論
(
もちろん
)
、子弟たりとも、
自
(
みず
)
から町に
行
(
ゆき
)
て物を買う者なし。町の
銭湯
(
せんとう
)
に
入
(
い
)
る者なし。戸外に
出
(
いず
)
れば
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けて双刀を
帯
(
たい
)
す。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
婢
漢検1級
部首:⼥
11画
僕
常用漢字
中学
部首:⼈
14画
“婢僕”で始まる語句
婢僕等