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奮發
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ふんぱつ
おまけに、もえ
黄の
夜具ぶろしきを
上被りにかけて、
包んで
寢た。
一つはそれに
對する
敵愾心も
加はつたので。……
先づ
奮發した。
南では
養蠶の
結果が
好かつたのと
少しばかり
餘つた
桑が
意外な
相場で
飛んだのとで、一
圓ばかりの
酒を
奮發したのであつた。
「ぢや、
奧さん
折角だから、もう一
圓奮發しませう。
夫で
御拂ひ
下さい」と
云つた。
御米は
其時思ひ
切つて
其の
日は
晴れて
心持がよかつたのと、一
同が
非常な
奮發をしたのとで
仕事は
日の
高い
内に
濟んだ。
家業を
奮發すれば、あと
三里五里は
走れようが、それにしても、
不忍池の
三十幾囘——
況んや
二十七里を
日づけの
車夫は
豪傑であつた。
乘つたものに
徳はない。が、
殆ど
奇蹟と
言はねばならない。