大言たいげん)” の例文
数年来鬱積うっせき沈滞せる者頃日けいじつようやく出口を得たる事とて、前後ぜんご錯雑さくざつ序次じょじりんなく大言たいげん疾呼しっこ、われながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
きゝしばし思案して申ける樣和尚は何とおもはるゝや拙者せつしや大言たいげんはくに似たれども伊賀亮ほどの大才ある者久しく山中にかくれてある黄金こがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おや? あんな大言たいげんいておいて、どこへもぐりこんでゆくのかと、こなたに三人がながめていると、折こそあれ、金明泉きんめいせんのほとりから、一陣の旋風せんぷうをおこして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三四郎はその大言たいげんに驚いた。驚いてもかまわない。驚いたままに進行して、しまいに
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いずれの群集を見ても少しもげきしているものはない。大言たいげんする者もなく、あざけわらう者もない。すこぶる真面目まじめでさながら親の大病の診断を医者から聞いているような顔つきであった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「ええ加減にしろ。大言たいげんよりは、ウィスキーじゃ。ペパミントじゃ」
大言たいげんきしむかしこゝろはづかしさよれがこのんで牛馬ぎうばかはりに油汗あぶらあせながし塵埃ぢんあいなかめぐるものぞ仕樣しやう模樣もやうきはてたればこそはじ外聞ぐわいぶんもなひまぜにからめててたのつまり無念むねん殘念ざんねん饅頭笠まんぢうがさのうちにつゝみてまゐりませうとこゑびくすゝめるこゝろいらぬとばかりもぎだうにひとそれはまだしもなりうるさいは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
成就せしめんとする大檀那おおだんなは天下一人もなく数年来鬱積うっせき沈滞せるもの頃日けいじつようやく出口を得たることとて前後ぜんご錯雑さくざつ序次じょじりんなく大言たいげん疾呼しっこ我ながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
と、うわ調子ちょうし町人ちょうにんことばで、おそろしく大言たいげんをはいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ホ、憤然と、大言たいげんしたな。なんでひいたか」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)