トップ
>
大盥
>
おおだらい
ふりがな文庫
“
大盥
(
おおだらい
)” の例文
身体検査にその女の身内熱きか否かを
識
(
し
)
る法あり、
大盥
(
おおだらい
)
に水の冷たいのを入れてその中に坐せしむると吸い込む故、それだけ水面が降る。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
……城の石垣に於て、
大蛇
(
おおへび
)
と
捏合
(
こねお
)
うた、あの
臭気
(
におい
)
が
脊筋
(
せすじ
)
から脇へ
纏
(
まと
)
うて、飛ぶほどに、
駈
(
か
)
けるほどに、段々
堪
(
たま
)
らぬ。よつて、此の
大盥
(
おおだらい
)
で、
一寸
(
ちょっと
)
行水
(
ぎょうずい
)
をばちや/\
遣
(
や
)
つた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸いに井戸の水は良いので、七月から湯殿で
行水
(
ぎょうずい
)
を使うことにした。
大盥
(
おおだらい
)
に湯をなみなみと
湛
(
たた
)
えさせて、遠慮なしにざぶざぶ浴びてみたが、どうも思うように行かない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
風呂場は湯気で
濛々
(
もうもう
)
としていた。伸子は、裾を端折って、
大盥
(
おおだらい
)
の中でつや子の体を洗ってやっていた。溶けた石鹸の香いや、水蒸気の熱い湿っぽさが、衣服を透していやな気持がした。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
朝
(
あさ
)
には
患者等
(
かんじゃら
)
は、
中風患者
(
ちゅうぶかんじゃ
)
と、
油切
(
あぶらぎ
)
った
農夫
(
のうふ
)
との
外
(
ほか
)
は
皆
(
みんな
)
玄関
(
げんかん
)
に
行
(
い
)
って、一つ
大盥
(
おおだらい
)
で
顔
(
かお
)
を
洗
(
あら
)
い、
病院服
(
びょういんふく
)
の
裾
(
すそ
)
で
拭
(
ふ
)
き、ニキタが
本院
(
ほんいん
)
から
運
(
はこ
)
んで
来
(
く
)
る、一
杯
(
ぱい
)
に
定
(
さだ
)
められたる
茶
(
ちゃ
)
を
錫
(
すず
)
の
器
(
うつわ
)
で
啜
(
すす
)
るのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
大盥
(
おおだらい
)
を抱えて来て、湯を運び「入浴しろ」とすすめるのである。あげくに理髪師がやって来て、きれいに
結髪
(
けっぱつ
)
し、肌着、
袍衣
(
うわぎ
)
まですっかり新調の物とかえて行った。いよいよ彼にはわけが分らない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
大盥
(
おおだらい
)
を、玄関において、一杯、水を汲みこんでくれ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
若い女の人が二人、洗濯物を
大盥
(
おおだらい
)
で
濯
(
すす
)
いでいた。
城のある町にて
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
が、——
諺
(
ことわざ
)
に、火事の折から土蔵の焼けるのを防ぐのに、
大盥
(
おおだらい
)
に満々と水を
湛
(
たた
)
え、
蝋燭
(
ろうそく
)
に灯を点じたのをその中に立てて
目塗
(
めぬり
)
をすると、壁を
透
(
とお
)
して煙が
裡
(
うち
)
へ
漲
(
みなぎ
)
っても、火気を呼ばないで安全だと言う。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、——
諺
(
ことわざ
)
に、火事の折から土蔵の焼けるのを防ぐのに、
大盥
(
おおだらい
)
に
満々
(
まんまん
)
と水を
湛
(
たた
)
へ、
蝋燭
(
ろうそく
)
に
灯
(
ひ
)
を点じたのを
其
(
そ
)
の中に立てて
目塗
(
めぬり
)
をすると、壁を
透
(
とお
)
して煙が
裡
(
うち
)
へ
漲
(
みなぎ
)
つても、火気を呼ばないで安全だと言ふ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
盥
漢検1級
部首:⽫
16画
“大”で始まる語句
大
大人
大事
大袈裟
大分
大切
大抵
大概
大方
大丈夫