“おおだらい”の漢字の書き方と例文
語句割合
大盥100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風呂場は湯気で濛々もうもうとしていた。伸子は、裾を端折って、大盥おおだらいの中でつや子の体を洗ってやっていた。溶けた石鹸の香いや、水蒸気の熱い湿っぽさが、衣服を透していやな気持がした。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あさには患者等かんじゃらは、中風患者ちゅうぶかんじゃと、油切あぶらぎった農夫のうふとのほかみんな玄関げんかんって、一つ大盥おおだらいかおあらい、病院服びょういんふくすそき、ニキタが本院ほんいんからはこんでる、一ぱいさだめられたるちゃすずうつわすするのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大盥おおだらいを抱えて来て、湯を運び「入浴しろ」とすすめるのである。あげくに理髪師がやって来て、きれいに結髪けっぱつし、肌着、袍衣うわぎまですっかり新調の物とかえて行った。いよいよ彼にはわけが分らない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)