大喧嘩おほげんくわ)” の例文
掛内に這入はひりふしみ居し折柄をりから燒場の外面おもての方に大喧嘩おほげんくわが始りし樣子故何事かと存じそつと出てうかゞひしにくらき夜なれば一かうわからず暫時しばらく樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「妾のお直は二三日前から、出るの引くのと言ふ大喧嘩おほげんくわだ。——萬兵衞が他に女が出來て、それを家に入れようとして居るんだ」
てば甘露かんろといふけれどれなんぞは一日々々いちにち/\いやことばかりつてやがる、一昨日をとゝひ半次はんじやつ大喧嘩おほげんくわをやつて、おきやうさんばかりはひとめかけるやうなはらわたくさつたのではないと威張ゐばつたに
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
イワーノウナはなんだかうれしくてたまらなくなつたとえて一週間前いつしうかんぜん大喧嘩おほげんくわしたことわすれちまつてア………フ………をんで咖啡こうひいなんぞを馳走ちそうしながらしきりにいろんな餘計よけいけちやア亭主ていしゆ自慢じまんをする
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
聞違きゝちがひだらうとつて大喧嘩おほげんくわつたのだが、おまへもしや其處そこくのではいか、そのやしきくのであらう、とはれて、なにわたしだとてきたいこといけれどかなければならないのさ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
聞違ひだらうと言つて大喧嘩おほげんくわを遣つたのだが、お前もしや其処そこへ行くのでは無いか、そのお邸へ行くのであらう、と問はれて、何も私だとて行きたい事は無いけれど行かなければ成らないのさ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)