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堂守
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どうもり
ふりがな文庫
“
堂守
(
どうもり
)” の例文
ヌーヴィユ・ダーモンにある
聖
(
セント
)
ユーラリ教会の
堂守
(
どうもり
)
が、いい機嫌で、死人の健康を祝するために古い葡萄酒を飲みながら話したのである。
世界怪談名作集:11 聖餐祭
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
かれは托鉢をやめて、
堂守
(
どうもり
)
のような形でそこに住んでいたが、参詣者の頼みに
因
(
よ
)
っては一種の祈祷のようなこともした。身の上判断もした。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
むかしは、
戦艦
(
せんかん
)
『
勇壮
(
ゆうそう
)
』の
兵曹長
(
へいそうちょう
)
をいたしておりましたが、退役になりましてからは、
提督教会
(
ていとくきょうかい
)
の
堂守
(
どうもり
)
をしておりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ある
堂守
(
どうもり
)
が住んでいた後に、住蓮と安楽房がしばらくここに
生活
(
くら
)
していたことがあるので、貧しい
炊
(
かし
)
ぎの道具や
灯
(
あか
)
りをともす器具などはあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただその大きい
目前
(
もくぜん
)
の影は疑う余地のない
坊主頭
(
ぼうずあたま
)
だった。のみならずしばらく聞き澄ましていても、この
佗
(
わび
)
しい
堂守
(
どうもり
)
のほかに人のいるけはいは聞えなかった。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
村の
取附
(
とりつき
)
にある観音堂で、
霊験
(
れいげん
)
顕著
(
あらたか
)
というので信心を致しまする者があって
種々
(
いろ/\
)
の物を納めまするが、
堂守
(
どうもり
)
を置くと種々の悪い事をしていなくなり、村方のものも困って居る処で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手を延ばしてその首を
抑
(
おさ
)
えなどしたりという。村にありし薬師の
堂守
(
どうもり
)
は、わが仏様は何ものをも
供
(
そな
)
えざれども、孫左衛門の神様よりは
御利益
(
ごりやく
)
ありと、たびたび笑いごとにしたりとなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伝法院の唯我教信が
調戯
(
からかい
)
半分に「淡島椿岳だから
寧
(
いっ
)
そ淡島堂に住ったらどうだ?」というと、
洒落気
(
しゃれけ
)
と茶番気タップリの椿岳は忽ち
乗気
(
のりき
)
となって、好きな事
仕尽
(
しつく
)
して後のお
堂守
(
どうもり
)
も面白かろうと
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ところで父は変人ですから、人に勧められるままに、御経も
碌々
(
ろくろく
)
読めない癖に、淡島堂の
堂守
(
どうもり
)
となりました。それで堂守には、坊主の方がいいといって、頭をクリクリ坊主にした事がありました。
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
これは
堂守
(
どうもり
)
の
仁三郎
(
にさぶろう
)
といって、町内の人気者だ。人に
怨
(
うら
)
みを買う
性
(
たち
)
の人間じゃない、金を溜めるような心掛けの男でもねえ、それがこんな
虐
(
むご
)
たらしい有様になって、
朝詣
(
あさまい
)
りの人に見付かったんだ。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こら、
堂守
(
どうもり
)
の坊主、この堂は何物を
祭
(
まつ
)
ってある堂じゃ」
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
戸を叩いたのは三社明神の
堂守
(
どうもり
)
の家。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
念のために伸びあがって覗くと、うす暗い堂の奥には黄色い灯が微かにゆらめいて、
堂守
(
どうもり
)
の老僧が居睡りをしていた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いつか
髪
(
かみ
)
を落した
後
(
のち
)
、倉井村の
地蔵堂
(
じぞうどう
)
の
堂守
(
どうもり
)
になっていたのである。伝吉は「
冥助
(
みょうじょ
)
のかたじけなさ」を感じた。倉井村と云えば長窪から五里に足りない
山村
(
さんそん
)
である。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「やっかいな
囚人
(
めしゅうど
)
だ。ま、仕方がない。裏の
堂守
(
どうもり
)
に言って、
粥
(
かゆ
)
の汁でも母子にくれてやるがいい」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、周防はその堂に
堂守
(
どうもり
)
の僧を雇うて置いた。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
不幸な子供の
魂
(
たましい
)
をとむらいながら、
可愛御堂
(
かわいみどう
)
の
堂守
(
どうもり
)
で
生涯
(
しょうがい
)
をおわろうと思っていた
菊村宮内
(
きくむらくない
)
も、むかしの主人であり、ふるさとの兵である
北国勢
(
ほっこくぜい
)
が、すぐ
向
(
むこ
)
う
岸
(
ぎし
)
の
木之本
(
きのもと
)
でやぶれ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堂守
(
どうもり
)
は住んでいないのであるが、その中には
燈明
(
とうみょう
)
の灯がともっていた。その灯を目あてに、伝兵衛は池のほとりまで辿って来て、そこにある捨て石に腰をおろした。澹山も切株に腰をかけた。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いまでこそ身は
童幼
(
どうよう
)
の友と
親
(
した
)
しまれ、
背
(
せ
)
には
地蔵
(
じぞう
)
の愛をせおい、
軒
(
のき
)
ごとの
行乞
(
ぎょうこつ
)
、
旅
(
たび
)
から旅をさすらい歩くながれ
人
(
びと
)
にちがいないが、
竹生島
(
ちくぶしま
)
に世をすてて
可愛御堂
(
かわいみどう
)
の
堂守
(
どうもり
)
となる前までは、これでも
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
竹生島
(
ちくぶしま
)
可愛御堂
(
かわいみどう
)
の
堂守
(
どうもり
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堂
常用漢字
小5
部首:⼟
11画
守
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“堂”で始まる語句
堂
堂宇
堂々
堂上
堂島
堂上方
堂塔
堂宮
堂摺連
堂押