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咽喉笛
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のどぶえ
ふりがな文庫
“
咽喉笛
(
のどぶえ
)” の例文
するとその首は、殆んど音も立てないで、ポックリと折れた中から、竹の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
がヒョイと出て来た……人を馬鹿にしたように……。
微笑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
片腕の影がすすり泣いていると思ったのは耳のあやまりで、ケケケッ! と、けもののように
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を鳴らして笑っていたのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
もしも文之丞があの
諸手突
(
もろてづ
)
きが
極
(
きま
)
ったならば、竜之助の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を突き切られて、いま文之丞が受けた運命を自分が受けねばならぬ。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お浜さんが一応疑われるわけさ、が、正面から
咽喉笛
(
のどぶえ
)
へ突き立てた
出刃
(
でば
)
が、後ろへ突き抜けるほど深く刺してあるんだぜ、全く恐ろしい力だ。
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
得心ずくで任せた顔だから、少しの
怪我
(
けが
)
なら苦情は云わないつもりだが、急に気が変って
咽喉笛
(
のどぶえ
)
でも
掻
(
か
)
き切られては事だ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
敵というかたきの、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
に喰いついてやんねえ。曾我兄弟は十八年——おめえの苦心も、ずい分長いものだったなあ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
前部を折り曲げたカラーの間の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
に、何ものかの
咬
(
か
)
みついた歯の
痕
(
あと
)
がはっきりついて居たからである。
謎の咬傷
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「チョッ、何たらこッてえ、せめて
軍鶏
(
しゃも
)
でも居りゃ、そんな時ゃあ
阿魔
(
あま
)
の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を
突
(
つッ
)
つくのに、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何う云う訳か女の前に
文売
(
ふみがら
)
のような物があって、山三郎が覗くと
件
(
くだん
)
の女は驚きまして山三郎の顔を見ると
直
(
すぐ
)
に
傍
(
そば
)
にありました
合口
(
あいくち
)
を取って今
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を突きに掛りますから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
教員の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
をにぎっている校長が高飛車に申し渡し、——というのは——と一言註釈をつける——これは私の権限に属することでありまして私としては日常平素、諸君から受ける種々なる特質と
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
そんなことをしやがったら
咽喉笛
(
のどぶえ
)
へくらいついてやる。
沓掛時次郎 三幕十場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
咽喉笛
(
のどぶえ
)
、首っ玉さ噛りついてさ
百姓仁平
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
咽喉笛
(
のどぶえ
)
に孤独の
咳
(
せき
)
が鳴る
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
お玉が逃げ出したと見た捕方が追いかけようとする、
真先
(
まっさき
)
の男に飛びついたムクは、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
をグサと
啣
(
くわ
)
えて、
邪慳
(
じゃけん
)
に横に振る。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
するとKは、「
止
(
や
)
めてくれ」と今度は頼むようにいい直しました。私はその時彼に向って残酷な答を与えたのです。
狼
(
おおかみ
)
が
隙
(
すき
)
を見て羊の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
へ
食
(
くら
)
い付くように。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二た太刀目が八五郎の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を狙って来る前に銭形平次の手からは久し振りの銭が飛びました。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
新吉は
何
(
なん
)
の事だかとんと分りませんが、致し方なく夜明け方に帰りますると、情ないかな、女房お累は、草苅鎌の
研澄
(
とぎすま
)
したので
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を
掻
(
かき
)
切って、片手に子供を抱いたなり死んで居るから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一寸
(
ちょっと
)
一目見ただけでも、あの浪人者なんぞは、お前さんの、
扇子
(
せんす
)
がちょいと動きゃあ、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
に穴をあけて、引っくり返るのは、わかっていたが、人気渡世が、初の江戸下りに、血を流すのも
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
気に入らないと俺の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
でも何でも
啖
(
く
)
い切りかねないので、毎日毎日俺に手向い出来ない事を知らせるつもりで、思い切りタタキ散らしてやるんだが、実は恐ろしくて恐ろしくて仕様がないから
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
武士たるものは、不義ものを
成敗
(
せいばい
)
するはかえって名誉じゃ、とこうまで間違っては事面倒で。たって、裁判沙汰にしないとなら、生きておらぬ。
咽喉笛
(
のどぶえ
)
鉄砲じゃ、
鎌腹
(
かまばら
)
じゃ、奈良井川の
淵
(
ふち
)
を知らぬか。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
並み居る役人も番卒も、一同に
仰天
(
ぎょうてん
)
した。支えに行く間に、もう新兵衛はキリキリと引き廻して
咽喉笛
(
のどぶえ
)
をかき切り見事な切腹を遂げてしまった。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
つるつるちゅうと音がして
咽喉笛
(
のどぶえ
)
が一二度
上下
(
じょうげ
)
へ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二た太刀目が八五郎の
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を狙つて來る前に錢形平次の手からは久し振りの錢が飛びました。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と押伏せて
咽喉笛
(
のどぶえ
)
をズブリッと刺した。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
罵
(
ののし
)
りながら、じだんだを五たびも六たびも踏みましたけれども、結局、出て行って追い払おうとするでもなし、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を抑えつけて鳴かせまいとするでもない。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いや、ほんの少し掻き切るつもりだったが、手元が狂ったのと、小唄の師匠で、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を避けたのがかえって悪かった。思わず手が滑って、深く切ったのが、あの通り急所だ
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小石で気管を
塞
(
ふさ
)
がれたようでどうしても万歳が
咽喉笛
(
のどぶえ
)
へこびりついたぎり動かない。どんなに奮発しても出てくれない。——しかし今日は出してやろうと
先刻
(
さっき
)
から決心していた。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人が
指図
(
さしず
)
して雇人が抱き起して見ると凄い、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
を掻き切ったのは
堺出来
(
さかいでき
)
のよく切れる
剃刀
(
かみそり
)
で、それを
痩
(
や
)
せこけた右の手先でしっかり握って、左の手を持ち添えて
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
帆柱の下で躍り上って、
咽喉笛
(
のどぶえ
)
の裂けるほどに再び叫び立てたのは船頭です。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
咽
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
喉
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
笛
常用漢字
小3
部首:⽵
11画
“咽喉”で始まる語句
咽喉
咽喉仏
咽喉元
咽喉首
咽喉頸
咽喉部
咽喉太
咽喉佛
咽喉輪
咽喉管