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台所
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だいどこ
ふりがな文庫
“
台所
(
だいどこ
)” の例文
旧字:
臺所
火事で
茸
(
きのこ
)
が飛んで来たり、
御茶
(
おちゃ
)
の
味噌
(
みそ
)
の女学校へ行ったり、
恵比寿
(
えびす
)
、
台所
(
だいどこ
)
と並べたり、或る時などは「わたしゃ
藁店
(
わらだな
)
の子じゃないわ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
絹足袋の、
静
(
しずか
)
な畳ざわりには、客の来たのを心着かなかった鞠子の
婢
(
おさん
)
も、旦那様の踏みしだいて出る
跫音
(
あしおと
)
に、ひょっこり
台所
(
だいどこ
)
から顔を見せる。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「
手襷
(
たすき
)
を
脱
(
と
)
んなさい、忙がしかろうが、何もお前は
台所
(
だいどこ
)
を働かんでも、一切道具ばかり取扱って
居
(
お
)
れば
宜
(
よ
)
いんだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
四日程
逗留
(
とうりゅう
)
して、
台所
(
だいどこ
)
をしたり、
裁縫
(
しごと
)
を
手伝
(
てつだ
)
ったり、折から不元気で居た妻を一方ならず助けて往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「まあ
台所
(
だいどこ
)
で使う
食卓
(
ちゃぶだい
)
か、たかだか
新
(
あら
)
の
鉄瓶
(
てつびん
)
ぐらいしか、あんな所じゃ買えたもんじゃありません」と云った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
いえもう
穢
(
きたな
)
い姿で……何うかお邪魔に成りませんお
台所
(
だいどこ
)
の隅にでもお
寐
(
ね
)
かしなさって、今居ります安泊りのような、あんな穢い
処
(
とこ
)
に居るものでございますから
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どっぷり沈んで、遠くで雨戸を繰る響、
台所
(
だいどこ
)
をぱたぱた二三度行交いする音を聞きながら、やがて洗い果ててまた浴びたが、湯の
設計
(
こしらえ
)
は、この邸に似ず古びていた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此夕
台所
(
だいどこ
)
で大きな
甘藍
(
きゃべつ
)
を
秤
(
はかり
)
にかける。二貫六百目。肥料もやらず、
移植
(
いしょく
)
もせぬのだから驚く。関翁が家の
馳走
(
ちそう
)
で、甘藍の
漬物
(
つけもの
)
に
五升藷
(
ごしょういも
)
(
馬鈴薯
(
じゃがいも
)
)の
味噌汁
(
みそしる
)
は特色である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
巡「別に
家
(
うち
)
もございませんから、お寺様のお
台所
(
だいどこ
)
へ
寐
(
ね
)
かして戴いたり
寺中
(
じちゅう
)
の
観音
(
かんおん
)
さまのお堂のお
縁端
(
えんばた
)
へ寐たりいたして、何処と云って
定
(
さだ
)
まった家はありません」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
風吹き通す
台所
(
だいどこ
)
に切ってある小さな
炉
(
ろ
)
に、
木片
(
こっぱ
)
枯枝
(
かれえだ
)
何くれと
燃
(
も
)
される限りをくべてあたっても、顔は
火攻
(
ひぜめ
)
、
背
(
せな
)
は
氷攻
(
こおりぜ
)
めであった。とめやが独で甲斐々々しく
駈
(
か
)
け廻った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
さあ、飲めってえ、と、三人で遣りかけましたが、景気づいたから手明きの挽子どもを在りったけ
呼
(
よん
)
で来た。薄暗い
台所
(
だいどこ
)
を覗く奴あ、音羽から来る八百屋だって。こっちへ上れ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
向後
(
きょうこう
)
稼業
(
かぎょう
)
を構うと云われては困ります、何も銭金をお貰い申しに参った訳ではありませんから、当期此方の
台所
(
だいどこ
)
の隅へ置いて下さい、五年掛るか十年掛るか知れませんが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お客様の
御馳走
(
ごちそう
)
だって、
先刻
(
さっき
)
、お
台所
(
だいどこ
)
で、魚のお料理をなさるのに、
小刀
(
ナイフ
)
でこしらえていらしった事を、私、帰ってお
饒舌
(
しゃべり
)
をしましたら、お
母
(
っか
)
さんが、まあ、何というお嬢様なんだろう。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
助「時に親方、つかん事を聞くようだが、先頃尋ねた
折
(
おり
)
台所
(
だいどこ
)
にいたのは親方のお
母
(
ふくろ
)
さんかね」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
父親は台湾とやら所在分らず、一人有ったが、それも亡くなった叔父の女房で、
蒟蒻島
(
こんにゃくじま
)
で油揚の
手曳
(
てびき
)
をしていた。余り評判のよくない
阿婆
(
おばあ
)
が、
台所
(
だいどこ
)
から
跨込
(
またぎこ
)
んで、帳面を控えて切盛する。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
林「何うしてお前さんの
喰欠
(
こいか
)
けを半分
喰
(
こ
)
うて見てえと思ってゝも、
喰欠
(
こいか
)
けを残した事がねえから、
密
(
そっ
)
と
台所
(
だいどこ
)
にお膳が洗わずにある時は、洗った振りをして
甜
(
な
)
めて、拭いてしまって置くだよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おいで、」と言うや否や、ずいと立って
件
(
くだん
)
の
台所
(
だいどこ
)
の隔ての障子。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隅「いゝえ、よくないよ、そら/\危ない、
何処
(
どこ
)
へ、
彼方
(
あっち
)
がお
台所
(
だいどこ
)
かえ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“台所”の解説
台所(だいどころ、en: Kitchen)とは、屋内において調理を行うために設けられた施設および空間である。流し台(給水設備、排水設備)、加熱調理器(コンロ)、換気設備(換気扇)、作業台、収納庫と作業空間から構成される。
(出典:Wikipedia)
台
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“台所”で始まる語句
台所口
台所様
台所町
台所充満