其心そのこゝろ)” の例文
不埒ふらちならずやこそ零落おちぶれたれ許嫁いひなづけえんきれしならずまこと其心そのこゝろならうつくしく立派りつぱれてやりたしれるといへば貧乏世帶びんぼふじよたいのカンテラのあぶら
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むし其心そのこゝろばせの眞率しんそつ無邪氣むじやきところおもへばじつうつくしさをかんずるのです、ぼくは。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
もちひて浮々うき/\とせし樣子やうすさてまこと悔悟くわいごして其心そのこゝろにもなりぬるかと落附おちつくは運平うんぺいのみならず内外うちとのものもおなじことすこまくら
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
假令たとへにかへいのちにかへてもくしまゐらするこゝろなるを、よしなき御遠慮ごゑんりよはおくだされたしとうらがほなり、これほどまでにおもひくるゝ、其心そのこゝろらぬにもらぬを、このごろ不愛想ぶあいさうこゝろもだゆるまゝに
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
びたりとかやまいもとはお前様まへさまはるゝも道理どうりなりらざりしわれうらめしくもらさぬきみうらめしく今朝けさ見舞みまひしときせてゆるびし指輪ゆびわぬきりてこれ形見かたみとも見給みたまはゞうれしとて心細こゝろぼそげにみたる其心そのこゝろ今少いますこはやらばくまでにはおとろへさせじを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)