トップ
>
六部
>
ろくぶ
ふりがな文庫
“
六部
(
ろくぶ
)” の例文
「ばかな
六部
(
ろくぶ
)
め。よけいなところへ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して、
神
(
かみ
)
さまのお
罰
(
ばつ
)
をうけたに
違
(
ちが
)
いない。そのたたりが
村
(
むら
)
にかかってこなければいいが。」
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おう、
坂部十郎太
(
さかべじゅうろうた
)
か。たかが
稚児
(
ちご
)
どうような
伊那丸
(
いなまる
)
と
六部
(
ろくぶ
)
の一人や二人が、
檻
(
おり
)
をやぶったとて、なにをさほどにうろたえることがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「俺アこれから
六部
(
ろくぶ
)
になって、今までに命を取った鳥けだものや、おしゅんの
後生
(
ごしょう
)
をとぶらいながら、日本国中を経めぐって来る」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは
全然
(
まるで
)
作物語
(
つくりものがたり
)
にでもありそうな事件であった。或冬の夕暮に、
放浪
(
さすらい
)
の旅に疲れた一人の
六部
(
ろくぶ
)
が、そこへ一夜の宿を乞求めた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
弾くと、巡礼の出雲屋さんと、
六部
(
ろくぶ
)
になった倉松さんの笈摺から、酒肴が出るという寸法で
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
何でもよほど山奥らしいのですが、疲れきった男女の
六部
(
ろくぶ
)
が嶮しい崖縁で
休息
(
やす
)
んでいる処から始まるんです。頭上には老樹が枝をかわしていて薄暗く、
四辺
(
あたり
)
は妙にしいんとしている。
むかでの跫音
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
遠野の町の後なる物見山の中腹にある沼に行きて、手を
叩
(
たた
)
けば
宛名
(
あてな
)
の人いで
来
(
く
)
べしとなり。この人
請
(
う
)
け合いはしたれども
路々
(
みちみち
)
心に掛りてとつおいつせしに、一人の
六部
(
ろくぶ
)
に行き
逢
(
あ
)
えり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
東京に行った隣の友吉の姿も、寺の御堂にかゝっている蜂の巣も、或る夕暮方、見た
六部
(
ろくぶ
)
の姿を考えるとなしに、じっと一点に集って葉の上に光っている太陽の焼点の中に映っているような気がした。
感覚の回生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
六部
(
ろくぶ
)
、
道心
(
だうしん
)
、わか
尼
(
あま
)
のうれひしづしづ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕まよひ、
六部
(
ろくぶ
)
のひとり
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
けれども
六部
(
ろくぶ
)
は、あまり
働
(
はたら
)
いて
息
(
いき
)
が
切
(
き
)
れて、
気絶
(
きぜつ
)
しただけでしたから、みんなが
抱
(
だ
)
き
起
(
お
)
こして
介抱
(
かいほう
)
すると、たちまち
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
き
返
(
かえ
)
しました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
裾野
(
すその
)
の
闇
(
やみ
)
に乗じられて、まんまと、
六部
(
ろくぶ
)
の
龍太郎
(
りゅうたろう
)
のために、大せつな主君を、うばいさられた、かれの
無念
(
むねん
)
さは思いやられる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の弁財天の
傍
(
かたわら
)
の、ごく細い道のところまで
辿
(
たど
)
って来たのを、よく見ると、手には何やら杖をついて、面は
六部
(
ろくぶ
)
のような深い笠でかくし、着物は修験者が着る白衣の
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おちうどか、ほたや、
六部
(
ろくぶ
)
か
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その中でいちばん大きい、
猅猅
(
ひひ
)
のような
形
(
かたち
)
の
大猿
(
おおざる
)
を、しっかりと
押
(
お
)
さえつけたまま、
六部
(
ろくぶ
)
もしっぺい
太郎
(
たろう
)
も
倒
(
たお
)
れていました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「数年前、京の九条の松原で会った一ノ宮源八でござるよ。その折は、
六部
(
ろくぶ
)
の姿でござったから、お見忘れもむりはない」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おお、あれはいつの年か、このへんで
戦
(
たたか
)
いのあったとき焼けのこった
文殊閣
(
もんじゅかく
)
にちがいない。もしかすると、
六部
(
ろくぶ
)
の
巣
(
す
)
も、あれかもしれぬぞ……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
巡礼だか
六部
(
ろくぶ
)
だかになりやがって、
仮病
(
けびょう
)
をつかってこの
邸
(
やしき
)
の前に倒れたなあうぬの手段だ。そんなことはこの百助が、三年も前から
睨
(
にら
)
み
貫
(
とお
)
しているんだぞ。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
故郷
(
ふるさと
)
へまわる
六部
(
ろくぶ
)
の気の弱り——で、お十夜がこの際
寸閑
(
すんかん
)
をぬすんで、郷里をのぞいたことは、ようやくかれの
放縦
(
ほうじゅう
)
な世渡りと、そぼろ助広の切れ味に、さびしい
薹
(
とう
)
が立ってきたのを語るものである。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六
常用漢字
小1
部首:⼋
4画
部
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“六部”で始まる語句
六部等