住人じゅうにん)” の例文
すべて天狗てんぐかぎらず、幽界ゆうかい住人じゅうにんばけるのが上手じょうずでございますから、あなたがた何卒どうぞそのおつもりで、わたくし物語ものがたりをきいていただぞんじます。
しかるに、ここに泉州せんしゅうさかい住人じゅうにん一火流いっかりゅう石火矢いしびや又助流またすけりゅう砲術ほうじゅつをもって、畿内きないに有名な鐘巻一火かねまきいっかという火術家かじゅつか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人が多くの同志者と共に、同じ祭りをつかえまつる心づよさは、今では田舎いなか住人じゅうにんばかりがよく知っていて、都会ではだんだんとわからなくなりかけている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「君らのいる横穴をさらに十メートルすすむ、すると大きな洞穴に出る。日の光もさしているだろう。階段も見えるにちがいない。僕はこの島の住人じゅうにんをつれて出むかえに行く」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
武蔵国むさしのくに秩父小沢口の住人じゅうにん逸見太四郎義利は、この溝口派の一刀流を桜井五助長政というものにいて学び、ついにその奥義おうぎきわめて、ここに甲源一刀流の一派を開き関東武術の中興とうたわれたので
大体だいたい肉体にくたいあっての衣食住いしょくじゅうで、肉体にくたいてた幽界ゆうかい住人じゅうにんは、できるだけはやくそうした地上ちじょうかんがえを頭脳あたまなかからはらいのける工夫くふうをせなければならぬ。
第一に、屍体のぬしはいずれも皆、若いサラリーマンや学窓がくそうを出たばかりの人達だった。第二にいずれも東京市内の住人じゅうにんだったのも、大して不思議でないとしても、不思議は不思議である。
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういつまでもおこってるのはやぼだぜ。呂宋兵衛るそんべえ没落ぼつらくするし、人穴城ひとあなじょう住人じゅうにんでもなくなってみれば、おまえとおれはなんの仇でもありゃしねえ。久しぶりで仲よく話でもしようじゃねえか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからこちらの住人じゅうにんとしてなによりつつしまねばならぬは、うらみ、そねみ、またもろもろの欲望よくぼう……そうったものにこころうばわれるが最後さいご、つまりは幽界ゆうかい亡者もうじゃとして
「怪星ガンの住人じゅうにんじゃないかと思うね」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)