“ひあはひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒアハヒ
語句割合
廂合38.9%
庇合16.7%
庇間16.7%
廂間16.7%
庇間合5.6%
狭間5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室内しつない一面いちめん濛々もう/\としたうへへ、あくどい黄味きみびたのが、生暖なまぬるつくつて、むく/\あわくやうに、……獅噛面しかみづら切齒くひしばつた窓々まど/\の、隙間すきま隙間すきま天井てんじやう廂合ひあはひから流込ながれこむ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
同じ新開の町はづれに八百屋と髪結床かみゆひどこ庇合ひあはひのやうな細露路、雨が降る日は傘もさされぬ窮屈さに、足もととては処々ところどころ溝板どぶいたの落し穴あやふげなるを中にして、両側に立てたる棟割むねわり長屋
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夜になつて風向が變ると、土藏と土藏の庇間ひあはひを吹き拔ける風が、この凧の唸りに當つてブーンと鳴る。
若党上野友次郎、松村金三郎の二人に、草履取ざうりとりが附いて供をしてゐる。たちまち一発の銃声が薄曇の日の重い空気を震動させて、とある町家の廂間ひあはひから、五六人の士が刀を抜き連れて出た。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
庇間合ひあはひ捨置すておき早足はやあし逃出にげいだし手拭ひにて深く頬冠ほゝかむりをなしきもふとくも坂本通りを逃行くをりから向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞き主人の五兵衞は出來いできたりナニせがれがみえぬと夫れは何所どこへ行たかと家内中をさがども一向にかげも見えずなほくまなくさがもとむるうち裏口うらぐち庇間合ひあはひに五郎藏が倒れて居たりと大聲おほごゑあげて呼はるゆゑ夫れと云て手燭てしよく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
路地はどうかすると横町同様人力車くるまの通れるほど広いものもあれば、土蔵または人家の狭間ひあはひになつてひと一人ひとりやつと通れるかどうかと危まれるものもある。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)