“廂間”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひあわい33.3%
ひあはひ33.3%
ひさしあい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紙は見る間に燃えて行った。捨吉は土蔵の廂間ひあわいにあった裏の畠を掃く草箒くさぼうきを手にしたまま、丹精した草稿が灰にって行くのを眺めていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
唯有とある小路の湯屋は仕舞を急ぎて、廂間ひあはひの下水口より噴出ふきいづる湯気は一団の白き雲を舞立てて、心地悪き微温ぬくもりの四方にあふるるとともに、垢臭あかくさき悪気のさかんほとばしるにへる綱引の車あり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
窓からは、すやすやした夜風が流れ込んで、軽い綿蚊帳が、隣の廂間ひさしあいから差す空の薄明りにそよいでいた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)