“ひあわい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
廂合44.8%
庇間24.1%
廂間10.3%
庇合10.3%
狭間10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤大名のずたずたあわせが、廂合ひあわいを先へ出ると、あとから前のめりに泳ぎ出した、白の仕事着の胸倉をつかんだまま、小路のうち
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明智はその石垣を攀昇よじのぼって、板塀と土蔵との庇間ひあわいの薄暗い中へ入って行った。五六間行くと突当りになってそこに別の塀が行手をふさいでいる。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
蔵の前の板の間に、廂間ひあわいの方から涼しい風の通って来るところをえらんで、午睡ひるねの夢をむさぼっている人があった。大勝の帳場だ、真勢さんという人だ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
時に湯気の蒸した風呂と、庇合ひあわいの月を思うと、一生の道中記に、荒れた駅路うまやじの夜の孤旅ひとりたびが思出される。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路地はどうかすると横町同様人力車くるまの通れるほど広いものもあれば、土蔵どぞうまたは人家の狭間ひあわいになって人一人やっと通れるかどうかとあやぶまれるものもある。