“ひさしあい”の漢字の書き方と例文
語句割合
廂間100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窓からは、すやすやした夜風が流れ込んで、軽い綿蚊帳が、隣の廂間ひさしあいから差す空の薄明りにそよいでいた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一日曇っていた空もとうとう雨になりそうで、冷たい風は向うの家のほこりふかい廂間ひさしあいから動いて来た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
銀子は物干へ出られる窓の硝子窓ガラスまどを半分開けて、廂間ひさしあいからよどんだ空を仰ぎ溜息ためいきいたが、夜店もののアネモネーや、桜草のはちなどがおいてある干場の竿さおに、襁褓おしめがひらひらしているのが目についた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)