廂合ひあはひ)” の例文
取り残された彼方此方あちらこちらの陰鬱な重い土蔵の廂合ひあはひから今はまたセンチメンタルな緑色の星の影さへ一つ二つときらめき初める、ホフマンスタールの夜の景色
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
室内しつない一面いちめん濛々もう/\としたうへへ、あくどい黄味きみびたのが、生暖なまぬるつくつて、むく/\あわくやうに、……獅噛面しかみづら切齒くひしばつた窓々まど/\の、隙間すきま隙間すきま天井てんじやう廂合ひあはひから流込ながれこむ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
差覗さしのぞのききずりの垣根越かきねごしくら廂合ひあはひまで、けばみな花壇くわだんがあつて、なかにはわすれたやうな、植棄うゑすてたかとおもふ、なんよくのないのさへえて、いつくしくしづかなは、派手はで大樣おほやうなる紅白こうはく
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞夏過ぎすだれうごかす廂合ひあはひの朝のすずかぜを君はたのめぬ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
真夏過ぎすだれうごかす廂合ひあはひの朝のすずかぜを君はたのめぬ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
廂合ひあはひほしかげつてた。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ゆく春の水の上、靄の廂合ひあはひ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)