“どこそこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
何処其処36.4%
○○9.1%
何処亓処9.1%
何所其所9.1%
何處其處9.1%
何處开處9.1%
某処9.1%
甲処乙所9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こないだこの路で何処其処どこそこのとうちゃんがこんな目エにいはったいうような話休みなしにしかけて、なるだけあとの二人より離れて歩くようにするのんです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こう申せばそなたはお笑い被成候なされそうろうかは存じ不申もうさず候えども、手紙の着きし当日より一日も早くもとのようにお成り被成なされ候ように○○どこそこのお祖師さまへ茶断ちゃだちして願掛け致しおり候まま
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
養父清左衛門せいざゑもん去歳こぞより何処亓処どこそこからだに申分ありてつ起きつとのよしは聞きしが、常日頃すこやかの人なれば、さしての事はあるまじと医者の指図などを申やりて
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
翌日あくるひも例刻に学校へ行つて講義を聞いた。講義の間に今年ことしの卒業生が何所其所どこそこ幾何いくらで売れたと云ふ話を耳にした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
分つは勿論の事なれども其中にも成るとならざるとは大いにちがひあることなりたとへば町内に捨物すてものの有りし時拔身ぬきみ白刄しらはなりともさや脇差わきざし何處其處どこそこすてこれ有候としたゝめて訴へればおだやかに聞ゆるなりよつて此訟訴書の無事に御取上に成る樣にとて長助は種々しゆ/″\に心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しゆまじはればといふことはなのお師匠ししようくせにしてせどもほんにあれはうそならぬことむかしはのやうに口先くちさきかたならで、今日けふ何處开處どこそこ藝者げいしやをあげて、此樣このやう不思議ふしぎおどりたのと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとたび某処どこそこに一大利益が見ゆるとなると、にわかに非常なる投機熱が起り、為に欧州の市場を攪乱した事は屡々しばしばある。かかるにがき経験は東洋人よりも西洋人に多く、祖先以来幾度も繰返している。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
今宵のうちに一眼逢ひて久後きごの事ママなど問ひ置かんと、原来がんらい女丈夫の精悍しく提灯照し甲処乙所どこそこと尋ね廻りし、裏河岸伝ひ思ひがけなき材木の小蔭に鼾の聴ゆるは
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)