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しま/″\
そして
三千年五千年の
前から
日本の
島々には
人間が
棲んでゐて、
石器時代の
文明を
長くつゞけてゐたといふことがわかつて
來たのであります。
孫一も
其の
一人だつたの……
此の
人はね、
乳も
涙も
漲り
落ちる
黒女の
俘囚と
一所に、
島々を
目見得に
𢌞つて、
其の
間には、
日本、
日本で、
見世ものの
小屋に
置かれた
事もあつた。
又は
母君の
腕にすがつて
遙かに
見ゆる
島々を
指し
以前の
持主、
二度目のはお
取次、
一人も
仕込んだ
覺えはないから、
其の
人たちは
無論の
事、
港へ
出入る、
國々島々のものに
尋ねても、まるつきし
通じない、
希有な
文句を
歌ふんですがね
若い
人の、
窶れ
顏に、
血の
色が
颯と
上つて、——
國々島々、
方々が、いづれもお
分りのないとある、
唯一句、
不思議な、
短かい、
鸚鵡の
聲と
申すのを、
私が
先へ
申して
見ませう……もしや?……