“駈引:かけひき” の例文
“駈引:かけひき”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂4
吉川英治4
太宰治3
谷崎潤一郎2
上田敏1
“駈引:かけひき”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 音楽 > 音楽史 各国の音楽10.0%
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集4.8%
文学 > フランス文学 > 詩1.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
すこしは駈引かけひきもありさうな戀人、しやれた心配もする柳の木よ、わたしの悲しい心のよろこび
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
先日の二人の学生さんだって、十六七には見えながら、その話振りには、ちょいとした駈引かけひきなどもあり、なかなか老成していた箇所がありました。
心の王者 (新字新仮名) / 太宰治(著)
口不調法なほど實直な新助は、これだけの事を何べんも何べんも繰り返して言ふだけで、それ以上に隱し事も駈引かけひきもあらうとは思へなかつたのです。
「危ないぞ。敵のもろさは、駈引かけひきだ。追うな追うな。追わば、敵のワナにおちいるぞ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひそかにふね艤裝ぎさうして、橄欖島かんらんたうおもむまであひだ駈引かけひき尋常じんじやうこと
親代々から一村の長として、百姓どもへ伝達の事件をはじめ、平生種々さまざまな村方の世話駈引かけひき等を励んで来たその役目もすでに過去のものとなった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
社交と、偽善と、虚礼と、駈引かけひきと、繁雑はんざつきわまる現代生活は、ドヴォルシャークにとっては、相当荷厄介にやっかいなものであったに違いない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
「面倒な駈引かけひきは拔にして、早速うけたまはりますが、手前共の八五郎といふ男——、鈴賣に身をやつして參つた筈で御座いますが、あれは何うなりました」
たしかに駈引かけひきをしているにちがいないが、本音ほんねを吐かせるところまで捻伏せるつもりなら、こちらも、感情を編みだすところから、やらなくてはならない。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
だから、彼の一進一退は、すべてこの目的と駈引かけひきから、割り出されていた。そうした彼の眼から見ると、ここのあるじの岩間角兵衛などは年こそ自分よりはずっと上だが、
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、この日本三景の一の松島海岸で不思議に結ばれた孤独者同士の何の駈引かけひきも打算も無いわばすこぶ鷹揚おうような交友にも、時々へんな邪魔がはいった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
長兄は、謂わば立派な人格者なのであって、胸には高潔の理想の火が燃えて、愛情も深く、そこに何の駈引かけひきも打算も無いのであるから、どうも物語を虚構する事に於いては不得手なのである。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
だが、正三にはじわじわした駈引かけひきはできなかった。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
ははあ、例によって辻斬だな、但し、こいつは少々駈引かけひきがあると米友がその時に思いましたのは、ほんとうに斬る気ならば前触まえぶれはないはずである、ところが刀を往来中おうらいなかへころがして置いて
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そら寝の駈引かけひき
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方こっちは居職で華奢な綾麿一人、向うは達者で駈引かけひき上手で荒っぽい古金屋が五六人、もとより相手になる筈もなく、後ろから追いすがる者の手に捕まるか、前に待っている仲間の手にちるか、二つに一つは最早避けようの無い運命だったのです。
嘉助の野郎、何を大きな事を云ってやがるんだい。腕っ節ばかりで、世間は渡られねえぞ。ましてこれから、知らねえ土地を遍歴へめぐって、上州の国定忠次で御座いと云って歩くには、駈引かけひき万端ばんたんの軍師がついていねえ事には、どうにもならねえのだ。
入れ札 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
しかし、櫨の実の買つけから、蝋の売捌うりさばきにいたるまでの商売上の駈引かけひき、その他、日々の一家の経営にかけては、人にうしろ指をさされたことがなく、それに、すでにその頃には、子供が二人も出来ていたので、正木の相続人としての彼の資格に、もうどこからも文句の出ようはずはなかった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
あくまで人間のものたるべく、人心の中の真美を守り通してゆかねばならん。いくさ駈引かけひき、外交の術策、そのための諸政の表裏——などを見て、直ちに、個々の道義、人情までを、それの如くでよしとするような考えを致すなれば、それこそ、織田どのの敵たるだけにはとどまらん、全人間の敵、全地上の害物だ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いとけなき折のことをおもふに、当時はくちをしかりしことも後になりてはなつかしきものなり、それがし牡鹿山に籠城のみぎり、名もなき女童をんなわらべ共と一つ所に起き伏しゝて合戦の駈引かけひきなんど知るに由なく、無念やる方なかりしが、今その頃の事を思へば中々興ありしことに存ずるなりと被仰おほせられ
だから是非とも来て貰おうと云う時には、貞之助が電話口へ出て、内橋と云う古参の看護婦を呼び出して、頼み込むようにするのであったが、それでも余程の重病でないと、此方の望む通りの時間には来てくれなかったり、すっぽかしたりすることがあるので、電話で容態を云う時に、実際よりは重そうに駈引かけひきをする必要があるのだった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)