トップ
>
顋
>
あぎと
ふりがな文庫
“
顋
(
あぎと
)” の例文
大蛇
(
だいじゃ
)
が
顋
(
あぎと
)
を
開
(
あ
)
いたような、
真紅
(
まっか
)
な土の
空洞
(
うつろ
)
の中に、づほらとした黒い
塊
(
かたまり
)
が見えたのを、
鍬
(
くわ
)
の先で
掻出
(
かきだ
)
して見ると——
甕
(
かめ
)
で。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
両の肩怒りて
頸
(
くび
)
を没し、
二重
(
ふたえ
)
の
顋
(
あぎと
)
直ちに胸につづき、
安禄山
(
あんろくざん
)
風の腹便々として、牛にも似たる
太腿
(
ふともも
)
は行くに
相擦
(
あいす
)
れつべし。
顔色
(
いろ
)
は思い切って
赭黒
(
あかぐろ
)
く、鼻太く、
唇
(
くちびる
)
厚く、
鬚
(
ひげ
)
薄く、
眉
(
まゆ
)
も薄し。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
きらり/\と
四振
(
よふり
)
の
太刀
(
たち
)
、
二刀
(
ふたふり
)
づゝを
斜
(
ななめ
)
に組んで、
彼方
(
かなた
)
の
顋
(
あぎと
)
と、
此方
(
こなた
)
の胸、カチリと鳴つて、ぴたりと合せた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其の
尖
(
とんが
)
つた
顋
(
あぎと
)
のあたりを、すら/\と
靡
(
なび
)
いて通る、
綿
(
わた
)
の筋の
幽
(
かすか
)
に白きさへ、やがて
霜
(
しも
)
になりさうな
冷
(
つめた
)
い雨。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬は売ったか、身軽になって、小さな包みを肩にかけて、手に一
尾
(
び
)
の
鯉
(
こい
)
の、
鱗
(
うろこ
)
は
金色
(
こんじき
)
なる、
溌剌
(
はつらつ
)
として尾の動きそうな、
鮮
(
あたら
)
しい、その
丈
(
たけ
)
三尺ばかりなのを、
顋
(
あぎと
)
に
藁
(
わら
)
を通して、ぶらりと提げていた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
而
(
そ
)
して、
其
(
そ
)
の
提灯
(
ちやうちん
)
の
顋
(
あぎと
)
に、
凄
(
すさ
)
まじい
影
(
かげ
)
の
蠢
(
うごめ
)
くのは、
葉
(
は
)
やら、
何
(
なに
)
やら、べた/\と
赤
(
あか
)
く
蒼
(
あを
)
く
塗
(
ぬ
)
つた
中
(
なか
)
に、
眞黒
(
まつくろ
)
にのたくらしたのは
大
(
おほ
)
きな
蜈蚣
(
むかで
)
で、
此
(
これ
)
は、
其
(
そ
)
の
宮
(
みや
)
のおつかはしめだと
云
(
い
)
ふのを
豫
(
かね
)
て
聞
(
き
)
いた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
明は少し
俯向
(
うつむ
)
いた。
瘠
(
や
)
せた
顋
(
あぎと
)
に襟狭く
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
顋
漢検1級
部首:⾴
18画
“顋”を含む語句
二重顋
顋髯
顋鬚
下顋
上顋
角顋
顋下
顋髭