“顋鬚”の読み方と例文
読み方割合
あごひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女蘿さるおがせが女の髪のようにさがった大きな栂の木の陰から、顋鬚あごひげの真白な老僧がちょこちょこと出て来て半兵衛の前に立ち塞がって両手を拡げた。
山の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かつて筆者が不精で顋鬚あごひげを剃るのを怠っているのを見付けた時「あごひげなんか延ばして大家になっちゃ駄目だぞ」
工学博士末広恭二君 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
神父は顋鬚あごひげを引張りながら、考え深そうにうなずいて見せた。女は霊魂れいこんの助かりを求めに来たのではない。肉体の助かりを求めに来たのである。しかしそれはとがめずともい。肉体は霊魂の家である。
おしの (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)