トップ
>
面食
>
めんくら
ふりがな文庫
“
面食
(
めんくら
)” の例文
馬鹿
(
ばか
)
げた笑い方をし、うれしそうに眼を輝かしながら、
淫逸
(
いんいつ
)
な話をつづけるので、そういう会話の中に出ると彼は
面食
(
めんくら
)
ってしまった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
博士が、
面食
(
めんくら
)
うのもむりではなかった。帆村は、また冷汗をながした。そして博士に、残る微量のX塗料のことを説明したのであった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それも狂い方が、あんまり烈しいので、がんりきほどのものが、すっかり
面食
(
めんくら
)
ってしまったのは無理もありますまい。そこでやむなく
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こんな手紙と原稿とを
突然
(
だしぬけ
)
に投げ付けられては、私も少しく
面食
(
めんくら
)
わざるを得ない。宜しく頼むと云われても、これは
余
(
よ
)
ほどの難物である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こうなると
面食
(
めんくら
)
って、見付けられず、手探りに探っている間に、何度頭を金剛杖で
撲
(
なぐ
)
られたか、数知れず、後には気絶して突伏してしまった。
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
余はこの日かく改まった
委嘱
(
いしょく
)
を受けようとは予期しなかったので、少し
面食
(
めんくら
)
いながらも、謹んでその話を聴いていた。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
私は大に
面食
(
めんくら
)
つた。何しろ昨日今日北国の片田舎から出て来たばかりで、まだ京の
市街
(
まち
)
の東西も知らず、言葉も碌に聞き取れぬ時分のことだつたのだ。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「
流石
(
さすが
)
に名校長だと思ったが、あの男は単に世渡りが上手なんだ。
先方
(
むこう
)
から先に言い出して、僕を
面食
(
めんくら
)
わせた」
首切り問答
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
やがてこのあとへ顔を出す——辻町糸七が、その想う盾の裏を見せられて
面食
(
めんくら
)
った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明智が変なことを云い出したので、波越氏はちょっと
面食
(
めんくら
)
った形である。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
文学はこのあわただしさに耐え兼ね、
面食
(
めんくら
)
った形である。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
初は私達子供は
面食
(
めんくら
)
って了った。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
ともかく相当の心得ある博徒と見えて、切口上で
賭博打
(
ばくちうち
)
の言葉手形を本文通り振出したから、がんりきの百蔵もいよいよ
面食
(
めんくら
)
いました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
冬子の声が
稍
(
やや
)
鋭く聞えたので、市郎も
聊
(
いささ
)
か
面食
(
めんくら
)
って思わず
其
(
その
)
顔を
屹
(
きっ
)
と
視
(
み
)
ると、露の如き
彼女
(
かれ
)
の眼は今や火のように燃えていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、
面食
(
めんくら
)
つて
居
(
ゐ
)
るから、この
声
(
こゑ
)
に、ほつとして、
少
(
すこ
)
しばかり
心
(
こゝろ
)
が
落着
(
おちつ
)
いた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と私は
秘
(
ひそ
)
かに期しているところを
突如
(
いきなり
)
指されて尠からず
面食
(
めんくら
)
った。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
二人の美しい女友だちのやり方に、しばしば
面食
(
めんくら
)
った。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
さすがのお絹も、忠作のたずねて来たことが、あまりに意外であったものだから、全く
面食
(
めんくら
)
ってしまったようでした。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
呼び起してこの出来事を報告すると、大尉自身も
面食
(
めんくら
)
って早々にここへ駈付けて来た。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
真新しい白い塔婆で、すっくりと立ってたのにはちょっと
面食
(
めんくら
)
いました。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と芳夫さんは飛び立たないばかりに
面食
(
めんくら
)
った。それも道理
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
なんとなく浮かぬ
面
(
かお
)
で、すごすごとまたここまで舞い戻って来たということが、白雲をして
面食
(
めんくら
)
わせることほど、意外千万な引合せであったからです。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
面食
(
めんくら
)
ったぜ。しかし
咄嗟
(
とっさ
)
の嘘にしちゃ巧かったろう?」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
論より証拠、引きつづいての前記の文句を突然うたい出されて、
面食
(
めんくら
)
わないものがありますか。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
豪
(
えら
)
い目に会った。英語でやるぜ。
面食
(
めんくら
)
ったよ」
恩師
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
仏頂寺へ
会釈
(
えしゃく
)
もなく、わが物気取りで弁慶を叩きはじめたから、仏頂寺も全く
面食
(
めんくら
)
った形で
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まず自分の身の上の
安房
(
あわ
)
の国、清澄山からはじめて、一代記を立てつづけに喋り出されたものですから、さすがの金助も
面食
(
めんくら
)
いの、立てつづけに喋りまくられてしまいました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道庵に頭からケシ飛ばされる時も、米友は
面食
(
めんくら
)
ってしまうが、こうして猫撫声で出られる時も、気味が悪くてたまらない。もう少し前へおいでと言われて、米友が妙にハニカンでいると道庵は
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは実に、誰にも分らない雲助の振舞であり、今日まで、脱線と
面食
(
めんくら
)
いにかけては、かなり腕にも頭にも覚えのあり過ぎる道庵自身すらが、全く解釈のできない、非常突発の行為でありました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すっかり
面食
(
めんくら
)
ってしまいましたね。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ちょっと
面食
(
めんくら
)
うかも知れない。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
の声に
面食
(
めんくら
)
って
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
食
常用漢字
小2
部首:⾷
9画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面色
面長
面当