雨水あめみづ)” の例文
先刻せんこくたきのやうに降注ふりそゝいだ雨水あめみづは、艇底ていてい一面いちめんたまつてる、隨分ずいぶん生温なまぬるい、いやあぢだが、其樣事そんなことは云つてられぬ。兩手りようてすくつて、うしのやうにんだ。
た※渺々べう/\としてはてもない暗夜やみなかに、雨水あめみづ薄白うすじろいのが、うなぎはらのやうにうねつて、よどんだしづかなみが、どろ/\と線路せんろひたしてさうにさへおもはれる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
樹々の雨水あめみづ砂に
その翌日よくじつは、漂流へうりう以來いらいはじめてすここゝろ落付おちついて、れい雨水あめみづみ、沙魚ふかにく舌皷したつゞみちつゝ、島影しまかげきか、滊船きせんけむりへぬかと始終しじうくばる、けれどこの何物なにものまなこさへぎるものとてはなく