難有ありがて)” の例文
顔へ済まねえをあらわして、さも嬉しそうに難有ありがてえ、苦労させるなんて弱いを出して御覧ごろうじろ、やっこさんたちまちなめッちまいますぜ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何程なんぼ心細こゝろぼせえかわかんねえもんですよ、もつともこれ、ものせえあんだからうしてられんな難有ありがてやうなもんぢやあるが、そんでも四斗樽とだるふてたがところむぐつたとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
難有ありがてえ、と無法に大きな声をするにぞ、主人は叱りて、「馬鹿め、人が聞かあ。後は何をささやくか小声にてちっとも聞えず。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れなあ、そんでも難有ありがてえことに、水浸みづびたしつたいへさは役場やくばから一軒毎えつけんごめらわたしになつたんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
難有ありがてえ、島が見える、着けろ着けろ、と千太がわめく。やあ、どこのか船もぎつけた、島がそこに、と理右衛門爺りえむじいさま。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
難有ありがてえことに不具かたわでもよめ世話せわすべつちいものもあるやうなわけさなあ、なんでも人間にんげんはたら次第しでえだよ、おめえだつてはたらくんでばかり他人ひとにやはれてべえぢやねえけえ、そんでれもをんなたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「先生、聞いておくんなさるかい、難有ありがてえ、こりゃ先生だとなほわかりが早い、対手あいてはね、先生なんざ御存じじゃありませんか、歌の師匠ですよ。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御奉公のおなごりに、皆さんお酌、と来たから、難有ありがてえ、大日如来、おらが車に乗せてやる、いや、わっちが、と戦だね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おかみさん、難有ありがてえ、おめえさんの思召おぼしめしも嬉しけりゃ、さかなも嬉しけりゃ、酒もうめえ、旨えけれど可笑おかしくねえや、何てってこうおかみさん、おかみさん、」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それよりは家賃をやすくして私等わっちらが自力で一杯も飲めるようにしてくれた方がほんのこと難有ありがてえや。へこへこ御辞儀をして物を貰うなあちっともうれしくねえてね。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ難有ありがてえこッた、と思うと、なおなおお前さん、貴女のお身体からだが大事になって、御出世の邪魔になるんだから、と万倍もお前さん、敷居をまたがねえ気になったんでさ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寺の近所は八町ばかり往来の留まる程だったが、何が難有ありがてえか、まるで狂人きちがいだ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「や、先生も味方らしい、こいつあ、難有ありがてえぞ難有えぞ。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何とも難有ありがて思召おぼしめしで、へい。」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
難有ありがてえ。はははは。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
難有ありがてえ。」
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
難有ありがてえ、」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
難有ありがてえ、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)