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雜沓
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ざつたふ
ふりがな文庫
“
雜沓
(
ざつたふ
)” の例文
新字:
雑沓
江戸の賑ひを集め盡したやうな淺草の
雜沓
(
ざつたふ
)
は、この意味もなく見える
些
(
さゝ
)
やかな事件を押し包んで、活きた
坩堝
(
るつぼ
)
のやうに、刻々新しい
沸
(
たぎ
)
りを卷き返すのです。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
大通へ出ると、毎朝屹度山の手の方の製絲工場の汽笛が鳴ツて、通は朝の
雜沓
(
ざつたふ
)
を極めてゐる。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
待
(
ま
)
たせて
置
(
お
)
きても
宜
(
よ
)
かりしを
供待
(
ともまち
)
ちの
雜沓
(
ざつたふ
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
して
時間
(
じかん
)
早
(
はや
)
めに
吩咐
(
いひつけ
)
て
還
(
かへ
)
せしもの
何
(
なん
)
としての
相違
(
さうゐ
)
ぞやよもや
忘
(
わす
)
れて
來
(
こ
)
ぬにはあらじ
家
(
うち
)
にても
其通
(
そのとほ
)
り
何時
(
いつ
)
まで
迎
(
むか
)
ひ
出
(
だ
)
さずには
置
(
お
)
かれまじ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洛中
(
らくちゆう
)
の民はさながら
狂
(
きやう
)
せるが如く、老を負ひ幼を扶けて火を避くる者、僅の家財を携へて逃ぐる者、或は
雜沓
(
ざつたふ
)
の中に
傷
(
きずつ
)
きて助けを求むる者、或は連れ立ちし人に離れて
路頭
(
ろとう
)
に迷へる者
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
風琴、「オルガノ」の響喧しく、女子のこれに和して歌ふあり。兵士、
希臘
(
ギリシア
)
人、
土耳格
(
トルコ
)
人、あらゆる
外國人
(
とつくにびと
)
の打ち
雜
(
まじ
)
りて、且叫び且走る、その
熱鬧
(
ねつたう
)
雜沓
(
ざつたふ
)
の
状
(
さま
)
、げに南國中の南國は是なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
雜
部首:⾫
18画
沓
漢検準1級
部首:⽔
8画
“雜”で始まる語句
雜
雜談
雜巾
雜誌
雜俳
雜草
雜木
雜魚
雜然
雜司