“ざつたふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑沓41.2%
雜沓35.3%
雜遝11.8%
遝5.9%
雑遝5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先刻(さつき)から三人四人と絶えず上(あが)つて来る見物人で大向(おほむかう)はかなり雑沓(ざつたふ)して来た。前(まへ)の幕(まく)から居残(ゐのこ)つてゐる連中(れんぢゆう)には待ちくたびれて手を鳴(なら)すものもある。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
東(ひがし)の門(もん)から入(はひ)つて、露店(ろてん)と參詣人(さんけいにん)との雜沓(ざつたふ)する中(なか)を、葵(あふひ)の紋(もん)の幕(まく)に威勢(ゐせい)を見(み)せた八足門(はつそくもん)の前(まへ)まで行(ゆ)くと、向(むか)うから群衆(ぐんしう)を押(お)し分(わ)けて、脊(せ)の高(たか)い武士(ぶし)がやつて來(き)た。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さて島田驛の人は定めて普門寺へ十念を受けに往くであらう。苾堂の親戚(しんせき)が往く時雜遝(ざつたふ)のために困(くるし)まぬやうに、手紙と切手とを送る。最初に往く親戚は手紙と切手とを持つて行くが好い。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
砲車(はうしや)は石を運ぶ台だと云つて作らせた。要するに此半年ばかりの間に、絃誦洋々(げんしようやう/\)の地が次第に喧噪(けんさう)と雑遝 (ざつたふ)とを常とする工場(こうぢやう)になつてゐたのである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは本郷桜木天神の傍(かたはら)に住んだ蘭軒でなくては想ひ到らぬ事である。真光寺の縁日は、寺門が電車の交叉点に向つて開いてゐる今日も、猶相応に賑しい。しかし既に昔日の雑遝(ざつたふ)の面影をば留めない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)