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險
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けは
ふりがな文庫
“
險
(
けは
)” の例文
新字:
険
軈てお八重も新太郎に伴れられて歸つて來たが、坐るや否や先づ
險
(
けは
)
しい眼尻を一層險しくして、
凝
(
ぢつ
)
と忠太の顏を睨むのであつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
總體にお人形のやうに整つた顏は、少し
險
(
けは
)
しげではありますが、打ち解けた優しい言葉遣ひと共に、八五郎をタジタジとさせるには充分でした。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ミラア先生は、その時この室にゐたたつた一人の先生で、彼女をとりまいて立つてゐる大きい生徒の
群
(
むれ
)
は、眞面目な
險
(
けは
)
しい顏付で
喋舌
(
しやべ
)
つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
父
(
とう
)
さんも
馬籠
(
まごめ
)
のやうな
村
(
むら
)
に
育
(
そだ
)
つた
子供
(
こども
)
です。
山道
(
やまみち
)
を
歩
(
ある
)
くのに
慣
(
な
)
れては
居
(
ゐ
)
ます。それにしても、『みさやま
峠
(
たうげ
)
』は
見上
(
みあ
)
げるやうな
險
(
けは
)
しい
山坂
(
やまさか
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人の眼は
險
(
けは
)
しく先にゆく少女の影と、行きすぎたお葉の姿を見くらべた後、彼等の心は少しの動搖も起さず、平和に道を歩いて行つたのであつた。
三十三の死
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
▼ もっと見る
險
(
けは
)
しきを行くこと
夷
(
たひらか
)
なる如き筆力、望み
瞻
(
み
)
る
方嚮
(
はうかう
)
に從ひて無遠慮なるまで肢體の尺を縮めたる遠近法は、個々の人物をして躍りて壁面を出でしめんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
茶代拔きにして丁度五十錢ほど足りなかつた。私は帽子を脱いだ。そして五十錢銀貨二枚を婆さんの掌に載せた。載せながら婆さんの眼の
心底
(
しんそこ
)
から
險
(
けは
)
しくなつてゐるのに驚いた。
梅雨紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
だから
私
(
わたくし
)
は
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
に
依然
(
いぜん
)
として
險
(
けは
)
しい
感情
(
かんじやう
)
を
蓄
(
たくは
)
へながら、あの
霜燒
(
しもや
)
けの
手
(
て
)
が
硝子戸
(
ガラスど
)
を
擡
(
もた
)
げようとして
惡戰苦鬪
(
あくせんくとう
)
する
容子
(
ようす
)
を、まるでそれが
永久
(
えいきう
)
に
成功
(
せいこう
)
しない
事
(
こと
)
でも
祈
(
いの
)
るやうな
冷酷
(
れいこく
)
な
眼
(
め
)
で
眺
(
なが
)
めてゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日は暑しのぼり
險
(
けは
)
しき坂なかば
築石垣
(
つきいしがき
)
のこほろぎのこゑ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あの
險
(
けは
)
しくも
白眼
(
しろめ
)
をした雪もよひの空
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
圖するところはヂドに扮したるアヌンチヤタが胸像なりき。
氣高
(
けだか
)
く
麗
(
うるは
)
しきその
面輪
(
おもわ
)
、威ありて
險
(
けは
)
しからざる其額際、皆我が平生の夢想するところに異ならず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
喜三郎の死顏は、水死人といふにしては、
曾
(
かつ
)
て平次が經驗したことのない
險
(
けは
)
しい表情をして居るのです。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
險
(
けは
)
しくなつてゐるか見ようと、主人の顏を見つめるのが常であつたが、この頃のやうにいつも變らず曇りなく、また
邪惡
(
じやあく
)
な感情のなかつたときがあつたことは、思ひ出せなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
唯だ焚くことの遲かりしこそ恨なれ。姫。否々、われは世の人の心の
險
(
けは
)
しきを
憶
(
おも
)
ひ得たり。靜かなる尼寺の垣の内にありて、優しき尼達に交らんことの願はしさよ。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お六の注意までもなく、途は本街道を
遙
(
はる
)
かに外れて、次第に
狹
(
せま
)
く、次第に
險
(
けは
)
しくなりました。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
幾度それが
威赫
(
ゐくわく
)
と憎惡をもつて私を睨んだことだらう! そして今その
險
(
けは
)
しい輪廓を眺めた時どんなにか子供の頃の恐怖と悲哀の追憶が甦つて來たことだらう! でも私は身を
屈
(
かゞ
)
めて彼女に接吻した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
喉笛にはまだ匕首を突立てたまゝ、顏の
險
(
けは
)
しさに似ず、血はあまり出てをりませんが、多分一突きで死んだ爲でせう。平次はそつと布をかけて、ひとわたり部屋の中を見廻しました。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
瞬
(
しゆん
)
、傳助の顏は
險
(
けは
)
しくなりました。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
險
部首:⾩
16画
“險”を含む語句
危險
冐險
險惡
冒險
險難
險阻
危險性
隱險
險路
險山
險坂
邪險
自動冐險鐵車
自動冐險車
絶險難所
探險
危險相
保險
冒險者
冐險鐵車
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