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間抜
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まぬけ
ふりがな文庫
“
間抜
(
まぬけ
)” の例文
旧字:
間拔
半日山のなかを
馳
(
か
)
けあるいて、ようやく下りて見たら元の所だなんて、全体何てえ
間抜
(
まぬけ
)
だろう。これからもう君の
天祐
(
てんゆう
)
は信用しないよ
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だがおれがほんとうにそんな
間抜
(
まぬけ
)
かどうか、今にわかるぞ……そればかりじゃねえ……一体誰の子だい、あの餓鬼がさ。誰の子だい
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そこで貞盛為憲等の
在処
(
ありか
)
を申せと責めたが、貞盛為憲等は此等の藤原氏どもに捕へられるほど
間抜
(
まぬけ
)
でも弱虫でも無かつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「見ろ、見ろ、
間抜
(
まぬけ
)
め、なんという馬鹿な顔をしてるんだ! 嘘もいい加減にしろ、
無頼漢
(
ならずもの
)
め! 水だ、水だ!」
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「船底潜らせだと?
大層
(
てえそう
)
お似合なこったよ。
違
(
ちげ
)
えねえや。元んとこへ戻れ、トムの
間抜
(
まぬけ
)
野郎め。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
▼ もっと見る
その手に持ってる洋燈をお
点
(
つ
)
けなさい、と曳子は
中
(
ちゅう
)
ッ
肚
(
ぱら
)
だから口の
裡
(
うち
)
で、幾たびも、ヘン
間抜
(
まぬけ
)
だな。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人間は
狡
(
ず
)
るく悧巧にならないでは生きてゐられないのですものね。誠だの、正直だの、熱い情けだのなんてそんな
間抜
(
まぬけ
)
なものは今時の人はみんな捨てちまはずにはゐられないのだわ。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「世間め、何だつて取沙汰しないんだらうな。ほんとに
間抜
(
まぬけ
)
つたらありやしない。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と太郎右衛門は
間抜
(
まぬけ
)
な顔をして、二人の立っている間へ顔を
突込
(
つっこ
)
んでやりました。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
青臭いどころか、お前、
天狗巌
(
てんぐいわ
)
だ、七不思議だと云ふ者が有る、
可恐
(
おそろし
)
い山の中に違無いぢやないか。そこへ
彷徨
(
のそのそ
)
、
閑
(
ひま
)
さうな
貌
(
かほ
)
をして
唯一箇
(
たつたひとり
)
で
遣
(
や
)
つて来るなんぞは、
能々
(
よくよく
)
の
間抜
(
まぬけ
)
と思はなけりやならんよ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それは部屋へ帰れずに
迷児
(
まご
)
ついている今の自分に付着する
間抜
(
まぬけ
)
さ
加減
(
かげん
)
を
他
(
ひと
)
に見せるのが
厭
(
いや
)
だったからでもあるが、実を云うと、この驚ろきによって
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
洋燈
(
ランプ
)
の光がボーッと上を照らしているところに、
煤
(
すす
)
びた
額
(
がく
)
が掛っているのが眼に入った。
間抜
(
まぬけ
)
な字体で何の語かが書いてある。一字ずつ心を留めて読んで見ると
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
同じ
画家
(
ゑかき
)
仲間の
某
(
なにがし
)
がどんな
婦人
(
をんな
)
でもたつた十ヶ月で
為
(
す
)
る仕事を、
画家
(
ゑかき
)
ともいはれるものが物の十三年も
懸
(
かゝ
)
つて、
漸
(
やつ
)
と仕上げるなんて、そんな
間抜
(
まぬけ
)
な事があるものかと、
厳
(
きつ
)
い抗議を申込んだのが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その
悪済
(
わるす
)
ましが気に喰はねえんだい。赤十字社とか看護員とかツて、べらんめい、漢語なんかつかいやあがつて、何でえ、
躰
(
てい
)
よく言抜けやうとしたつて
駄目
(
だめ
)
だぜ。おいらア
皆
(
みん
)
な知てるぞ、
間抜
(
まぬけ
)
めい。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「間抜にも大間抜よ。宿帳を御覧、東京
間抜
(
まぬけ
)
一人
(
いちにん
)
と附けて在る」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
小使が来て何ですかと云うから、何ですかもあるもんか、バッタを床の中に
飼
(
か
)
っとく奴がどこの国にある。
間抜
(
まぬけ
)
め。と
叱
(
しか
)
ったら、私は存じませんと弁解をした。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虚言
(
うそ
)
という者
誰
(
たれ
)
吐
(
つき
)
そめて正直は
馬鹿
(
ばか
)
の
如
(
ごと
)
く、真実は
間抜
(
まぬけ
)
の
様
(
よう
)
に扱わるゝ事あさましき世ぞかし。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私一人の
間抜
(
まぬけ
)
で済まん。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“間抜”で始まる語句
間抜奴
間抜面
間抜顔
間抜野郎