“賀(が)” の例文
賀(が)の曰(いは)く、其(そ)の左(ひだり)の目(め)を射(い)よ。羿(げい)すなはち弓(ゆみ)を引(ひ)いて射(い)て、誤(あやま)つて右(みぎ)の目(め)にあつ。首(かうべ)を抑(おさ)へて愧(は)ぢて終身不忘(みををはるまでわすれず)。術(じゆつ)や、其(そ)の愧(は)ぢたるに在(あ)り。
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかもちょうどこの日、当の奉行の賀(が)は、街をお練(ね)りで帰って来る途中にあったが、たれも花和尚にそれが奉行だとは教えてやる者もない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平民新聞(へいみんしんぶん)の創刊(そうかん)に賀(が)すべきは其門前(そのもんぜん)よりも其紙上(そのしゞやう)に酸漿提灯(ほうづきてうちん)なき事なり各国々旗(かくこく/\き)なき事なり市中音楽隊(しちうおんがくたい)なき事なり、即(すなは)ち一(いつ)の請負(》文字《うけおひもんじ)、損料文字(そんれうもんじ)をとゞめざる事なり。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
得たるか如くにてあれはこゝえる人に衣(ころも)を下さるをなさけに同じ事なりうゑたるもの食を得たるが如くとあれば御憐愍(ごれんびん)の御政事爰(こゝ)を以て知るべし有(あ)る時(とき)常憲院樣(さま)五十の賀(が)の時何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『日本』へ俳句寄稿に相成候(あいなりそうろう)諸君へ申上候(もうしあげそうろう)。筆硯(ひっけん)益〻御清適(ごせいてき)の結果として小生の枕辺(ちんぺん)に玉稿(ぎょっこう)の山を築きこの冬も大約一万句に達し候(そうろう)事(こと)誠に御出精(ごしゅっせい)の次第とかつ喜びかつ賀(が)し奉(たてまつ)り候。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
無恙(むよう)を賀(が)し且(か)つ儂が春衣(しゅんい)を美(ほ)ム
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
たまたま、華山の霊地に詣(もう)でた賀(が)が、ふと、玉嬌枝を見そめて「……なんでも、ぜひ、わがものに」と、その淫欲と暴とを逞(たくま)しゅうしたものだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次の間へ控(ひかへ)させ己れ獨(ひと)り居間へ通り久々(ひさ/″\)の對面(たいめん)に互(たが)ひに無事を賀(が)し暫(しば)し四方山の話に時を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さっきから、じろと、そっちを眼の隅から睨んでいた奉行の賀(が)は、さすが一トかどの者だった。いうやいな、席を蹴って、ばっとそっちへ歩きかけた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)