落附おちつ)” の例文
もちひて浮々うき/\とせし樣子やうすさてまこと悔悟くわいごして其心そのこゝろにもなりぬるかと落附おちつくは運平うんぺいのみならず内外うちとのものもおなじことすこまくら
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
乾燥かんさうしてこなためせて女房等にようばうらしきりにせきをした。彼等かれらけおりて手桶てをけみづをがぶりとんでやうやむね落附おちつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れた、落附おちついた調子ちょうしでそうって、いたる妖精ようせいはつくづくとわたくしかおちまもるのでございました。
人の心のとかく落附おちつかぬ頃、御主人はお亡くなりで、よくお世話する人もなかったのでしょう。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
かへしなをかふれどそでなみだれんともせずもすればわれともにと決死けつし素振そぶり油斷ゆだんならずなにはしかれいのちありてのものだねなりむすめこゝろ落附おちつかすにくはなしとしては婚儀こんぎ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おつたはすこあわてたやうしかるべく落附おちつかうとつとめつゝはなしそらした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)