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苦惱
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くなう
また私の
胸に
和ぎの芽を
植ゑそめたものは、
一頻り私の
膓を
噛み
刻んでゐたところの
苦惱が
生んだ、ある
犧牲的な心でした。
「
野田へは
知らせてくれめえか」と
聞いた。
勘次も
近所の
者も
卯平へ
知らせることも
忘れて
只苦惱する
病人を
前に
控へて
困つて
居るのみであつた。
失望と
煩悶とがごツちやになツて
耐へず
胸頭に
押掛ける………其の
苦惱、其の
怨、誰に
訴へやうと思ツても訴へる
對手がない。
喧嘩は、
獨だ。
悪腕を
彼は
從來見たことのない
綺麗な
菓子を
發見したと
思つて
心が
躍つた。それでも
彼は
其の
半分を
割つていきなり
嚥み
下した。
彼は
喉がぢり/\と
焦げつく
程非常な
苦惱を
感じた。
お
品は
其の
夕刻から
俄かに
痙攣が
起つた。
身體がびり/\と
撼ぎながら
手も
足も
引き
緊められるやうに
後へ
反つた。
痙攣は
時々發作した。
其度毎に
病人は
見て
居られない
程苦惱する。