トップ
>
肚
>
なか
ふりがな文庫
“
肚
(
なか
)” の例文
「いいえ、怒ってなんかいませんよ、僕はお父さんのお
肚
(
なか
)
の中を知っています、お父さんは頭より心のほうがよっぽどいいのです」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
それくらいなこと誰でも分りきっていることのようで、実はなかなか琵琶の横木ほども、お
肚
(
なか
)
に据えていられないのが人間でございますまいか。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
昨夜
(
ゆうべ
)
、あんまり、苦しかったものですから、——それでも
今朝
(
けさ
)
は、お
肚
(
なか
)
の痛みだけは、ずっと楽になりました。——」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
善くは思いませんばかりでも、お
肚
(
なか
)
のことを嗅ぎつけられて、変な杖でのろわれたら、どんな目に逢おうも知れぬと、薄気味の悪い
爺
(
じじい
)
なんでございます。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ですけれど、
未
(
ま
)
だ未だやつぱり浮気なので、この人も好いが、又あの人も万更でなかつたりなんぞして、
究竟
(
つまり
)
お
肚
(
なか
)
の中から惚れると云ふのぢやないのです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
「恩人! 恩人!」と、私はお
肚
(
なか
)
の中で叫んだ。「みんなが、リード夫人を私の恩人だと云つてゐる。もしさうだとすれば、恩人と云ふものは、いやなものだ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「本当よ。何だか知らないけれども、あたし近頃
始終
(
しじゅう
)
そう思ってるの、いつか一度このお
肚
(
なか
)
の中にもってる勇気を、外へ出さなくっちゃならない日が来るに
違
(
ちがい
)
ないって」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お茶の御ぜんを
焚
(
た
)
いたから。お
肚
(
なか
)
がへったら。おむすびにでもしてあげようか。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
「そうですのよ。ですから私ロデスの
夫人
(
おくさま
)
やグラナドスの
夫人
(
おくさま
)
がお
零
(
こぼ
)
しなさるから、
相槌
(
あいづち
)
は打っていますけれど、お
肚
(
なか
)
の中ではね……オホホホホホ」と妻は耳輪を重たげに
檜扇
(
ひおうぎ
)
で口許を
掩
(
おお
)
って
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「へい、お
肚
(
なか
)
が空きやした」これが田舎者の挨拶であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「どうなされた、お
肚
(
なか
)
でも痛まれたか」
法華僧の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それが段々嬉しくなって、可愛らしくもなり、ついこういうことにもなったんだが、他愛なさも、仇気なさも、お
肚
(
なか
)
を……可いかい、
政府
(
おかみ
)
へ知れりゃ罪人だぜ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はお
肚
(
なか
)
の中には言ひたい事が沢山あるのだけれど、
余
(
あんま
)
り
言難
(
いひにく
)
い事ばかりだから、口へは出さないけれど、
唯一言
(
たつたひとこと
)
いひたいのは、私は
貴方
(
あなた
)
の事は忘れはしないわ——私は生涯忘れはしないわ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「お
肚
(
なか
)
はまだ痛むけれど、気分は大へん好くなったよ。」——母自身もそう云っていた。その上あんなに
食気
(
しょっけ
)
までついたようでは、今まで心配していたよりも、存外
恢復
(
かいふく
)
は容易かも知れない。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お
婆
(
ばあ
)
さん、お前にも
私
(
わたい
)
は
怨
(
うらみ
)
があってよ、
可
(
い
)
い加減なことをいって
誑
(
だま
)
してさ、お
肚
(
なか
)
が痛むか
擦
(
さす
)
ろうなんぞッて言っておくれだから、深切な人だと思ったわ、悔しいじゃあないかね。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やっぱりお
肚
(
なか
)
が痛むんでねえ。——熱もまだ
九度
(
くど
)
からあるんだとさ。」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今の
母様
(
おっかさん
)
の子で、
姉様
(
ねえさん
)
の阿銀とはお
肚
(
なか
)
が違っているのだけれど、それはそれは姉おもいの優しい子で、姉様が継母の悪だくみで山へ棄てられるというのを聞いて、どんなにか泣いたろう。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(いいえ、沢山、私は
卑
(
いやし
)
いようなけれども、どうも大変にお
肚
(
なか
)
が空いたよ。)
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでね、貴方、その病気と申しますのが、風邪を引いたの、お
肚
(
なか
)
を痛めたのというのではない様子で、まあ、申せば、何か
生霊
(
いきりょう
)
が
取着
(
とッつ
)
いたとか、狐が見込んだとかいうのでございましょう。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やれやれ
綺麗
(
きれい
)
な姉さんが台なしになったぞ。あてこともねえ、どうじゃ、切ないかい、どこぞ痛みはせぬか、お
肚
(
なか
)
は苦しゅうないか。」と自分の胸を頑固な
握拳
(
にぎりこぶし
)
でこツこツと叩いて見せる。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お止し遊ばせば可いのに、お
妖怪
(
ばけ
)
と云えば
先方
(
さき
)
で怖がります、田舎の
意気地
(
いくじ
)
無しばかり、
俺
(
おいら
)
は
蟒蛇
(
うわばみ
)
に呑まれて
天窓
(
あたま
)
が
兀
(
は
)
げたから湯治に来たの、狐に
蚯蚓
(
みみず
)
を食わされて、それがためお
肚
(
なか
)
を痛めたの
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肚
漢検1級
部首:⾁
7画
“肚”を含む語句
肚裡
一肚皮
肚中
肚黒
肚立
肚芸
肚胸
空肚
肚裏
肚底
肚癒
肚皮
肚胆
肚骨
肚饑
腿肚
鬱勃肚
肚構
肚巻
羊肚茸
...