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絶々
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たえだえ
ふりがな文庫
“
絶々
(
たえだえ
)” の例文
九郎右衛門や宇平からは
便
(
たより
)
が
絶々
(
たえだえ
)
になるのに、江戸でも何一つしでかした事がない。
女子
(
おなご
)
達の心細さは言おう様がなかった。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「それぢや。……桜の枝に
掛
(
かか
)
つて、
射貫
(
いぬか
)
れたとともに、
白妙
(
しろたえ
)
は胸を痛めて、どつと……息も
絶々
(
たえだえ
)
の
床
(
とこ
)
に着いた。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
息も
絶々
(
たえだえ
)
に疲れて打ち倒れても、睡るとすぐにライフルの音が聞えたり、女の乱髪が顔を撫でたりする。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
三日に一度が十日に一度になり、一と月に一度になり、三月に一度になり、明治九年の春からはそれも
絶々
(
たえだえ
)
になって、約半歳あまりは羅漢寺詣りも忘れて居りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いふさへ息も
絶々
(
たえだえ
)
なるに、鷲郎は急ぎ縄を噬み切りて、
身体
(
みうち
)
の
痍
(
きず
)
を
舐
(
ねぶ
)
りつつ、「
怎麼
(
いか
)
にや黄金丸、苦しきか。
什麼
(
そも
)
何としてこの
状態
(
ありさま
)
ぞ」ト、かつ
勦
(
いた
)
はりかつ尋ぬれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
雨はこの時漸く
霽
(
は
)
れて、軒の玉水
絶々
(
たえだえ
)
に、
怪禽
(
かいきん
)
鳴過
(
なきすぐ
)
る者両
三声
(
さんせい
)
にして、跡松風の音
颯々
(
さつさつ
)
たり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
実に一瞬ではあったけれど、私の
絶々
(
たえだえ
)
な気持ちによく
笞
(
むち
)
打ってくれるものがありました。その恋愛は、私との愛情がまだ終りをつげないうちにほろんで亡くなってしまいました。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
灯影
(
ほかげ
)
明るい祇園町の夜、線香の
煙
(
けぶり
)
絶々
(
たえだえ
)
の鳥辺山、二十一と十七、黒と紫とに包まれた美しい若い男女が、美しい呂昇の声に乗ってさながら眼の前に
踊
(
おど
)
った。お
俊
(
しゅん
)
のさわりはます/\好い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
梅岡
(
うめおか
)
何某
(
なにがし
)
と呼ばれし中国浪人のきりゝとして男らしきに
契
(
ちぎり
)
を込め、浅からぬ中となりしより
他
(
よそ
)
の恋をば
贔負
(
ひいき
)
にする客もなく、線香の煙り
絶々
(
たえだえ
)
になるにつけても、よしやわざくれ身は朝顔のと短き命
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
女は息も
絶々
(
たえだえ
)
になっている。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かくして少年ははた
掌
(
たなそこ
)
を
拍
(
う
)
って
塵
(
ちり
)
を払ったが、吐息を
吐
(
つ
)
いて、さすがに心
弛
(
ゆる
)
み、力落ちて、よろよろと僵れようとして、息も
絶々
(
たえだえ
)
なお雪を見て、眉を
顰
(
ひそ
)
めて
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お通の声は障子を隔てて
絶々
(
たえだえ
)
ですが、涙に濡れて哀れ深く聴こえました。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今朝東京なる本郷病院へ、
呼吸
(
いき
)
も
絶々
(
たえだえ
)
に
駈込
(
かけこ
)
みて、玄関に着くとそのまま、打倒れて絶息したる男あり。年は二十二三にして、
扮装
(
みなり
)
は
好
(
よ
)
からず、
容貌
(
かおかたち
)
いたく
憔
(
やつ
)
れたり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
リストはこの時の光景をこう書いている——ポトカ夫人が涙に濡れながら「アヴェ・マリア」を歌うと、ショパンは「なんという美しさだろう。私の神様、もう一度、もう一度」と
絶々
(
たえだえ
)
に言った。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
掻寄
(
かきよ
)
せたあとが小高くなッてて、その上へ大きな石が乗ッけてあって、そこまで小銀が
辿
(
たど
)
って
行
(
ゆ
)
くと、
一条
(
ひとすじ
)
細うく
絶々
(
たえだえ
)
に続いていた胡麻のあとが無くなっていたでしょう。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
々
3画
“絶”で始まる語句
絶
絶間
絶頂
絶望
絶叫
絶巓
絶壁
絶念
絶対
絶海