ゆひ)” の例文
藁苞わらづとよりそろ/\と出しこししつかとゆひつけ之までかぜを引たりと僞り一ト夜も湯には入らざるのみか夜もろく/\に目眠まどろまず心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
先箱根にて御書付と髪のゆひぶり違候とて引付られ、半日余もかかり候由。(金三歩出し候由。)又被指添候さしそへられそろ足軽池鯉鮒ちりふ之駅にて吐血急症、近隣近郷之医を招候由。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
とあれば、かつらならではとゆるまで、圓髷まるまげゆひなして、六分玉ろくぶだま珊瑚さんごに、冷豔れいえんなる白襟しろえりこのみ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆひ 左巴ひだりともゑ
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さゝに、大判おほばん小判こばん打出うちで小槌こづち寶珠はうしゆなど、就中なかんづく染色そめいろ大鯛おほだひ小鯛こだひゆひくるによつてあり。お酉樣とりさま熊手くまで初卯はつう繭玉まゆだま意氣いきなり。北國ほくこくゆゑ正月しやうぐわつはいつもゆきなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かつらならではとゆるまでにゆひなしたる圓髷まるまげに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだまのうしろざしをてんじた、冷艷れいえんたぐふべきなきと、こゝの名物めいぶつだとく、ちひさなとこぶしを、あをく、銀色ぎんしよくかひのまゝかさねた鹽蒸しほむしさかな
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)