“紛(まぎれ)” の例文
老人余(よ)に越遊(ゑついう)を奨(すゝめ)しこと年々なり。余(よ)固(もとより)山水に耽(ふける)の癖(へき)あり、ゆゑに遊心(いうしん)勃(ぼつ)々たれども事に紛(まぎれ)て果(はた)さず。丁酉の晩夏(ばんか)遂(つひ)に豚児(せがれ)京水を従(したがへ)て啓行(けいかう)す。
老人余(よ)に越遊(ゑついう)を奨(すゝめ)しこと年々なり。余(よ)固(もとより)山水に耽(ふける)の癖(へき)あり、ゆゑに遊心(いうしん)勃(ぼつ)々たれども事に紛(まぎれ)て果(はた)さず。丁酉の晩夏(ばんか)遂(つひ)に豚児(せがれ)京水を従(したがへ)て啓行(けいかう)す。
いづれ敵手(あひて)は貸金(かしきん)の事から遺趣を持つて、その悔し紛(まぎれ)に無法な真似(まね)をしたのだらうつて、大相腹を立ててお在(いで)なのだよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
(相)……切(きれ)……紛(まぎれ)……位(くらい)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜の恐ろしき紛(まぎれ)に
取出し相摸殿率(いざ)拜見(はいけん)と差付れば御城代初(はじ)め町奉行に至る迄各々(おの/\)再拜(さいはい)し一人々々に拜見(はいけん)相濟(あひす)む是(これ)紛(まぎれ)もなき正眞(しやうじん)の御直筆(ぢきひつ)と御短刀なれば一同に驚(おどろ)き入る是に於て疑心(ぎしん)晴(はれ)相摸守殿には伊賀亮に向(むか)ひ斯(かく)確(たしか)なる御證據(おんしようこ)の御座ある上は將軍の御落胤(ごらくいん)に相違なく渡(わた)らせ給へり此段早速(さつそく)江戸表へ申達(たつ)し御老中(ごらうちう)の返事(へんじ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
愕然(がくぜん)として彼は瞳(ひとみ)を凝(こら)せり。ベッドの傍(かたはら)に立てるは、その怪き夢の中に顕(あらは)れて、終始相離(あひはな)れざりし主人公その人ならずや。打返し打返し視(み)れども訪来(とひきた)れる満枝に紛(まぎれ)あらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)