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まぎれ
老人
余に
越遊を
奨しこと年々なり。
余固山水に
耽の
癖あり、ゆゑに
遊心勃々たれども事に
紛て
果さず。丁酉の
晩夏遂に
豚児京水を
従て
啓行す。
老人
余に
越遊を
奨しこと年々なり。
余固山水に
耽の
癖あり、ゆゑに
遊心勃々たれども事に
紛て
果さず。丁酉の
晩夏遂に
豚児京水を
従て
啓行す。
いづれ
敵手は
貸金の事から遺趣を持つて、その悔し
紛に無法な
真似をしたのだらうつて、大相腹を立ててお
在なのだよ。
(相)……
切……
紛……
位
取出し相摸殿
率拜見と差付れば御城代
初め町奉行に至る迄
各々再拜し一人々々に
拜見相濟む
是紛もなき
正眞の御
直筆と御短刀なれば一同に
驚き入る是に於て
疑心晴相摸守殿には伊賀亮に
向ひ
斯確なる
御證據の御座ある上は將軍の
御落胤に相違なく
渡らせ給へり此段
早速江戸表へ申
達し
御老中の
返事を
愕然として彼は
瞳を
凝せり。ベッドの
傍に立てるは、その怪き夢の中に
顕れて、終始
相離れざりし主人公その人ならずや。打返し打返し
視れども
訪来れる満枝に
紛あらざりき。