目出度めでたい)” の例文
お嬢様、どうしたものでございますね。御婚礼のお目出度めでたいに、泣いていらしっちゃあすみません。まあ、涙を拭いて、婿様をお見上げ遊ばせ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本当に調こしらへてくれるかえと真面目まじめだつて言へば、それは調らへて上げられるやうならお目出度めでたいのだもの喜んで調らへるがね、わたしが姿を見ておくれ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目出度めでたい、目出度、という挨拶は其処そこにも此処ここにも取換とりかわされた。田舎いなかの方から引返して来た三吉は、この人達と一緒に、料理屋を指して出掛けた。日暮に近かった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
卒業して半年もたないうちに、私はとうとうお嬢さんと結婚しました。外側から見れば、万事が予期通りに運んだのですから、目出度めでたいといわなければなりません。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
寺にわび住む我でさえ目出度めでたい新年に逢う事が出来る、などいう位ならばまだよいので、寺だから〆飾や門松は立てぬ、その代り自分の心の内に、門松が立っているとか、何とかいうかも知れぬ。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
まづ今年ことしは豊作で目出度めでたいと云ふ所から始まつて、身体からだを大事にしなくつては不可いけないと云ふ注意があつて、東京のものはみんな利口で人がわるいから用心しろと書いて
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「何しろ娑婆しゃばへ帰ってまず目出度めでたい、そこで嬰児あかんぼは名は何とう、お花か、お梅か、それとも。」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは調製こしらへてげられるやうならお目出度めでたいのだものよろこんで調製こしらへるがね、わたし姿すがたておれ、此樣こん容躰ようだいひとさまの仕事しごとをして境界きやうがいではなからうか、まあゆめのやうな約束やくそくさとてわらつてれば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのいわい赤飯こわめしだ。その上に船賃ふなちんを取らんのだ。乗合のりあいもそれは目出度めでたいと言うので、いくらか包んでる者もあり、即吟そくぎんで無理に一句浮べる者もありさ。まあおもい思いにいわッてやったとおもいたまえ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其時そのとき目出度めでたいからとふので、客間きやくまとこにはかならとら双幅さうふくけた。これ岸駒がんくぢやない岸岱がんたいだとちゝ宗助そうすけつてかせたことがあるのを、宗助そうすけはいまだに記憶きおくしてゐた。このとらにはすみいてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)