白々しら/″\)” の例文
ふるはしアノ白々しら/″\しいといふとき長庵は顏色がんしよくかへて五十兩には何事ぞや拙者はさらおぼえなき大金を拙者に渡したなどとは途方とはうなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こんな筈ではないと思ふのだけれど、自分なんかの出る幕ぢやなかつたといふ、妙に白々しら/″\とした気持が、この時はじめて彼女の頭をかすめた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
まだ卯刻半むつはん過ぎ、火事場歸りの人足が漸くまばらになつて、石垣の上は、白々しら/″\と朝霜が殘つて居る頃です。
工事こうじ場所ばしよかすみうらちか低地ていちで、洪水こうずゐが一たんきしくさぼつすと湖水こすゐ擴大くわくだいしてかはひとつにたゞ白々しら/″\氾濫はんらんするのを、人工じんこうきづかれた堤防ていばうわづか湖水こすゐかはとを區別くべつするあたりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
醫道いだうおもてからまをしますれば、んだものをきてゐるとして、白々しら/″\しい見立みたきで、かみいつはるのは、おもつみあたりませうが、これもまア、五まん千石ぜんごくの一家中かちうたすけるとおもうていたしました。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
階級きざはし白々しら/″\
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
白睨にらみ付おぼえ無しとは白々しら/″\しきいつはりなり去月廿七日小篠堤權現堂の藪蔭やぶかげに於て穀屋平兵衞を切殺きりころし金百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
放るゝ鳥の聲に夜は白々しら/″\と明渡りければ女房お政は徐々そろ/\と勝手に立出たちいで麤朶そだをりくべてめしの支度にかゝり文右衞門はうがひなどして其所そこらを片付かたづけさてめしも仕舞ければ是より文右衞門は又々馬喰町へゆき市之丞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)