發車はつしや)” の例文
をつむつて、みゝおさへて、發車はつしやつのが、三ぷん、五ふん、十ぷん十五ふん——やゝ三十ぷんぎて、やがて、驛員えきいん不通ふつう通達つうたついたときは!
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、やがて發車はつしやふえつた。わたくしはかすかなこころくつろぎをかんじながら、うしろ窓枠まどわくあたまをもたせて、まへ停車場ていしやぢやうがずるずるとあとずさりをはじめるのをつともなくちかまへてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、この電車でんしやが、あの……車庫しやこところで、一寸ちよつと手間てまれて、やがて發車はつしやしてもなく、はしへ、横搖よこゆれにんで進行中しんかうちう
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるくもつたふゆ日暮ひぐれである。わたくし横須賀發よこすかはつのぼり二とう客車きやくしやすみこしおろして、ぼんやり發車はつしやふえつてゐた。とうに電燈でんとうのついた客車きやくしやなかには、めづらしくわたくしほか一人ひとり乘客じようきやくはゐなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
此處こゝを、發車はつしやころよりして、乘組のりくみ紳士しんし貴夫人きふじん彼方此方あちらこちらに、フウ/\と空氣枕くうきまくら親嘴キスするおと。……
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
東京驛とうきやうえきいたのは、まだ三十分さんじつぷんばかり發車はつしやのあるころであつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きはどいどころか、發車はつしやには三分間さんぷんかんある。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)