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片翼
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かたつばさ
ふりがな文庫
“
片翼
(
かたつばさ
)” の例文
三角形
(
さんかくなり
)
の砂地が向うに、蘆の葉が
一靡
(
ひとなび
)
き、鶴の
片翼
(
かたつばさ
)
見るがごとく、小松も
斑
(
ふ
)
に似て
十本
(
ともと
)
ほど。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳶の
羽
(
は
)
が、少しづゝ、石垣の
間
(
あいだ
)
へ入る——
聊
(
いささ
)
かは引いて抜くが、少しづゝ、段々に、
片翼
(
かたつばさ
)
が隠れたと思ふと、するりと
呑
(
の
)
まれて、片翼だけ、ばさ/\ばさ、……
煽
(
あお
)
つて煽つて
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人間の気を奪ふため、
故
(
ことさ
)
らに
引込
(
ひきこ
)
まれ/\、やがて
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
最後の
片翼
(
かたつばさ
)
も、城の石垣につツと消えると、いままで
呼吸
(
いき
)
を詰めた、
群集
(
ぐんじゅ
)
が、
阿
(
あ
)
も
応
(
おう
)
も
一斉
(
いっとき
)
に、わツと鳴つて声を揚げた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも見得があるから、お前、
松明
(
たいまつ
)
をつけて行って見ろ、天狗の
片翼
(
かたつばさ
)
を切って落とした、血みどろになった
鳶
(
とび
)
の羽のようなものが落ちてたら、それだと思えなんて、血迷ってまさ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
波を渡るか、宙を
行
(
ゆ
)
くか、白き
鵞鳥
(
がちょう
)
の
片翼
(
かたつばさ
)
、朝風に傾く帆かげや、
白衣
(
びゃくえ
)
、
水紅色
(
ときいろ
)
、
水浅葱
(
みずあさぎ
)
、ちらちらと波に漏れて、夫人と廉平が
彳
(
たたず
)
める、岩山の根の
巌
(
いわ
)
に近く、忘るるばかりに漕ぐ
蒼空
(
あおぞら
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
あたりは
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
引
(
ひ
)
つ
擔
(
かつ
)
いで、や
聲
(
ごゑ
)
を
掛
(
か
)
けて、
卍巴
(
まんじともえ
)
を、
薙立
(
なぎた
)
て
薙立
(
なぎた
)
て
驅出
(
かけだ
)
した。
三里
(
さんり
)
の
山道
(
やまみち
)
、
谷間
(
たにま
)
の
唯
(
たゞ
)
破家
(
やぶれや
)
の
屋根
(
やね
)
のみ、
鷲
(
わし
)
の
片翼
(
かたつばさ
)
折伏
(
をれふ
)
した
状
(
さま
)
なのを
見
(
み
)
たばかり、
人
(
ひと
)
らしいものの
影
(
かげ
)
もなかつたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つゝと
鷲
(
わし
)
が
片翼
(
かたつばさ
)
を
長
(
なが
)
く
開
(
ひら
)
いたやうに、
壇
(
だん
)
をかけて
列
(
れつ
)
が
整
(
とゝの
)
ふ。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
翼
常用漢字
中学
部首:⽻
17画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片方
片時
片側
片膝
片足