“かたつばさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
片翼100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも見得があるから、お前、松明たいまつをつけて行って見ろ、天狗の片翼かたつばさを切って落とした、血みどろになったとびの羽のようなものが落ちてたら、それだと思えなんて、血迷ってまさ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
波を渡るか、宙をくか、白き鵞鳥がちょう片翼かたつばさ、朝風に傾く帆かげや、白衣びゃくえ水紅色ときいろ水浅葱みずあさぎ、ちらちらと波に漏れて、夫人と廉平がたたずめる、岩山の根のいわに近く、忘るるばかりに漕ぐ蒼空あおぞら
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたりは蝙蝠傘かうもりがさかついで、やごゑけて、卍巴まんじともえを、薙立なぎた薙立なぎた驅出かけだした。三里さんり山道やまみち谷間たにまたゞ破家やぶれや屋根やねのみ、わし片翼かたつばさ折伏をれふしたさまなのをたばかり、ひとらしいもののかげもなかつたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)