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滿々
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まん/\
水底の
其の
缺擂鉢、
塵芥、
襤褸切、
釘の
折などは
不殘形を
消して、
蒼い
潮を
滿々と
湛へた
溜池の
小波の
上なる
家は、
掃除をするでもなしに
美しい。
分けて
底澄んで
少し
白味を
帶びて、とろ/\と
然も
岸とすれ/″\に
滿々と
湛へた
古沼ですもの。
猶以て
念の
爲に、
別に、
留桶に
七八杯、
凡そ
湯船の
高さまで、
凍るやうな
水道の
水を
滿々と
湛へたのを、
舷へ
積重ねた。これは
奧方が
注意以外の
智慧で、ざぶ/\と
先づ
掻𢌞して
滿々とあるのを
持ちかへようとして
沸き
立つて
居るから
振りこぼして、あつゝ。