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溢
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あぶ
ふりがな文庫
“
溢
(
あぶ
)” の例文
まるっきり今日は
溢
(
あぶ
)
れちまって、
空
(
から
)
ア
挽
(
ひ
)
いて帰るかと思っていた処で、何うか
幾許
(
いくら
)
待っても宜しゅうございます、閑でげすから、お
合乗
(
あいのり
)
でへい
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あれ以来、人足どもも大分おとなしくなりましたが、やっぱり気の荒い郡内の
溢
(
あぶ
)
れ
者
(
もの
)
でござるから、おりおり旅人が難儀する由でござりまする」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
湯は
槽
(
ふね
)
の四方に
溢
(
あぶ
)
れおつ、こゝをもつて此
湯
(
ゆ
)
温
(
ぬる
)
からず
熱
(
あつ
)
からず、天
工
(
こう
)
の
地
(
ち
)
火
(
くわ
)
尽
(
つく
)
る時なければ
人作
(
じんさく
)
の湯も
尽
(
つく
)
る
期
(
ご
)
なし、見るにも
清潔
(
せいけつ
)
なる事いふべからず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一昨年
(
おととし
)
の夏、
小鱸
(
せいご
)
釣に出でゝ、全く
溢
(
あぶ
)
れ、例の如く、大鯰二つ買ひて帰りしが、
山妻
(
さんさい
)
之を料理するに及び、其口中より、
水蛭
(
ひる
)
の付きし「ひよつとこ鈎」を発見せり。
釣好隠居の懺悔
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
中へ何を入れたか、だふりとして、ずしりと
重量
(
おもみ
)
を
溢
(
あぶ
)
まして、筵の上に
仇光
(
あだびか
)
りの陰気な
光沢
(
つや
)
を持った鼠色のその革鞄には、以来、
大海鼠
(
おおなまこ
)
に手が生えて胸へ
乗
(
のっ
)
かかる夢を見て
魘
(
うな
)
された。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
さるお金持の
好奇
(
ものずき
)
なお医者さんが来て、この関ヶ原にあんぽつを
駐
(
とど
)
め、道中の雲助の
溢
(
あぶ
)
れをすっかり
掻
(
か
)
き集め、それにこのあたりの人夫をかり出して
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
湯は
槽
(
ふね
)
の四方に
溢
(
あぶ
)
れおつ、こゝをもつて此
湯
(
ゆ
)
温
(
ぬる
)
からず
熱
(
あつ
)
からず、天
工
(
こう
)
の
地
(
ち
)
火
(
くわ
)
尽
(
つく
)
る時なければ
人作
(
じんさく
)
の湯も
尽
(
つく
)
る
期
(
ご
)
なし、見るにも
清潔
(
せいけつ
)
なる事いふべからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
鯉
(
こい
)
は、「三日に一本」と、相場の極ツてる通り、
溢
(
あぶ
)
れることも多いし、
鱚
(
きす
)
、
小鱸
(
せいご
)
、
黒鯛
(
かいず
)
、
小鰡
(
いな
)
、何れも、餌つきの期間が短いとか、合せが
六ヶ
(
むつか
)
しいとか、船で無ければやれないとか
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
おごつた、
黄
(
き
)
じまの
郡内
(
ぐんない
)
である。
通例
(
つうれい
)
私
(
わたし
)
たちが
用
(
もち
)
ゐるのは、
四角
(
しかく
)
で
薄
(
うす
)
くて、ちよぼりとして
居
(
ゐ
)
て、
腰
(
こし
)
を
載
(
の
)
せるとその
重量
(
おもみ
)
で、
少
(
すこ
)
し
溢
(
あぶ
)
んで、
膝
(
ひざ
)
でぺたんと
成
(
な
)
るのだが、そんなのではない。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ですから道庵先生の野上の宿の前は、夜の明けないうちから、仕事に
溢
(
あぶ
)
れた雲助をはじめとして、近郷近在の見物人が真黒に寄ってたかって騒いでいる有様です。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大言壮語することを職としていた筋目の通る
溢
(
あぶ
)
れ
者
(
もの
)
が、当時の社会には充ち満ちておりました。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
病躯
(
びょうく
)
を起して、この内憂外患の時節に、一方には倒れかけた幕府の威信を保ち、一方には諸国の頑強な
溢
(
あぶ
)
れ
者
(
もの
)
を処分してゆく、
悪
(
にく
)
まれ
役
(
やく
)
は会津が一身に引受けたのであります。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一も二もなく雲助のきっぷに惚れ込んだ道庵が、ここで彼等の
溢
(
あぶ
)
れ
者
(
もの
)
をすっかりかり集めて、大盤振舞をした上に、明日はこの勢いで関ヶ原合戦の大模擬戦を行って見せるのだという。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
溢
漢検準1級
部首:⽔
13画
“溢”を含む語句
溢出
充溢
横溢
脳溢血
噴溢
吹溢
居溢
満溢
漲溢
汪溢
溢漲
溢水
溢美
旺溢
溢血
聞溢
立溢
脳溢血症
高麗加世溢
盛溢
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