たく)” の例文
旧字:
かつ大きな人格の光を千載にはなち、偉大なる事業のたくを万人にこうむらすにいたるには、長年月を要することが多いのは、いうまでもない。
死刑の前 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
(人ありいはく。琵琶湖はたくといふべし。にあらず。余あんずるに震沢を太湖と称するときは湖といふも妨なし。)一里六丁鳥居本とりゐもと駅。此辺に床の山あり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
したがって主任の暮し向きなんかぜいたくなものです。信者からまき上げた金で相場に手を出していた位ですからね。
盗難 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
同時に、四たくの岩石が一度になだれ落ちてくるかのように、袁術の旗下はたもとや部下のおびただしい人馬が駆け寄せ
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全くわるくないね。間数まかずはと? ぼく書斎しよさいけん用の客に君の居間ゐま食堂しよくだうに四でふ半ぐらゐの子ども部屋べやが一つ、それでたく山だが、もう一つ分な部屋へやが二かいにでもあれば申分なしだね。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
天下の民みな覇政はせいたくに沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる幾多いくたの猛将梟漢きょうかんの子孫が、柳営りゅうえい一顰いっぴん一笑いっしょう殺活さっかつせられつつある際に、彼の烱眼けいがんは、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
文化のたくは此の島村しまむらにも及んで、粗末ながら小学校のもうけがある。お光八つにもなると路が遠いにつれもないからよせと父母ふたおやの拒むも聞かないで、往来ゆきもどり一里の路を日々弁当さげて通う。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
その国の徳衰えたくきて、内憂外患こも/″\せまり、滅亡になりなんとする世には、崩じておくられざるみかどのおわすためしもあれど、明のの後なお二百五十年も続きて、この時太祖の盛徳偉業、炎々えんえんの威を揚げ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おれたちには見られないぜいたく
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
すると林の木々や、四たくの山がいちどにどっと笑いだした。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太平のたくこうむるものは、もとより太平に沈酔す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)