氣質きしつ)” の例文
新字:気質
立通たてとほ指替さしかへの大小并びに具足迄省愼置たしなみおかるゝ程の氣質きしつにては勿々なか/\此金子を受取ざるも道理もつともなりしかしながら某しも一人のむすめうつて昔しの恩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
アンドレイ、エヒミチはれい氣質きしつで、れでもとはね、つひまた嫌々いや/\ながらワルシヤワにもつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
が、もうひとつは氣質きしつ相違そうゐによるものだらう。へると、支那人しなじん技法ぎはふ巧拙かうせつ別問題べつもんだいとして、可成かな自由じいうびと麻雀マージヤンあそたのしむからではあるまいか?
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
財主ざいしゆいもうところしたる一條いちじようなんじて「その氣質きしつはかねてきゝたる正直質樸せうじきしつぼくのものたるに、これをも殺したるはいかにぞや………さてはのちわれにかへりて大にこれを痛み悔ゆべきに、」云々とはれたり。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
をつとおもはずをそらした。すつかり弱味よわみかれたかんじで内心ないしんまゐつた。が、そこでつま非難ひなんをすなほにけとるためにはをつと氣質きしつはあまりに我儘わがままで、をしみがつよかつた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いとはず三河町なる山口惣右衞門の方へ到りなほも惣右衞門に對面たいめんして委細ゐさいおのれ心底しんていかたりければ惣右衞門始め一同七右衞門の氣質きしつかんじ惣右衞門は病氣ゆゑ萬事心に任せずとてひとへに郷右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)