氣力きりよく)” の例文
新字:気力
長病ちやうびやうゆゑ氣力きりよくおとろへ自身に首をくゝることは成ずなどと當推量あてすゐりやうを申立夫のみ成ず金子を貸ぬとそれを遺恨に存じしうとめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「みんなねむつちやいかん‥‥」と、時時ときどき我我われわれ分隊長ぶんたいちやう高岡軍曹たかをかぐんそう無理作むりづくりのドラごゑげた。が、中根なかねばかりではない、どの兵士達へいしたちももうそれにみみすだけの氣力きりよくはなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
この面前めんぜん氣力きりよくなくすわつた宗助そうすけの、くちにした言葉ことばはたゞ一きた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
アンドレイ、エヒミチは知識ちしき廉直れんちよくとをすこぶこのあいしてゐたのであるが、さてかれ自分じぶん周圍まはりには然云さうい生活せいくわつまうけること到底たうてい出來できぬのであつた。れは氣力きりよくと、權力けんりよくける自信じしんとがりぬので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
くめ冷笑あざわらいや然樣さやうにては有まじ病氣につかれし母樣ゆゑ勿々なか/\自身にて首をくゝり給ふ程の氣力きりよくなきはずなりさつする處長々の病氣に看病かんびやう夏蠅うるさしと思ひお前がくびり殺したる成べしと思ひがけなき難題なんだい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)