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気立
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きだて
ふりがな文庫
“
気立
(
きだて
)” の例文
旧字:
氣立
むかしむかし
大昔
(
おおむかし
)
、
今
(
いま
)
から二千
年
(
ねん
)
も
前
(
まえ
)
のこと、
一人
(
ひとり
)
の
金持
(
かねも
)
ちがあって、
美
(
うつ
)
くしい、
気立
(
きだて
)
の
善
(
い
)
い、おかみさんを
持
(
も
)
って
居
(
い
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「色と意気地を立てぬいて、
気立
(
きだて
)
が
粋
(
すい
)
で」とはこの事である。かくして
高尾
(
たかお
)
も
小紫
(
こむらさき
)
も出た。「いき」のうちには
溌剌
(
はつらつ
)
として武士道の理想が生きている。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
気立
(
きだて
)
、年齢、触れた肌のかず/\、其他愚かしいことの多ければ多いほど寧ろそれを誇りとしたであらうと思ふ。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夫は心
猛
(
たけ
)
く、人の
憂
(
うれひ
)
を見ること、犬の
嚏
(
くさめ
)
の如く、
唯貪
(
ただむさぼ
)
りて
饜
(
あ
)
くを知らざるに引易へて、
気立
(
きだて
)
優しとまでにはあらねど、鬼の女房ながらも尋常の人の心は
有
(
も
)
てるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
すいても嫌うても、
気立
(
きだて
)
の優しいお
妓
(
こ
)
だから、
内証
(
ないしょ
)
で逢いに行っただろさ。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
あんな
気立
(
きだて
)
のいい女は日本中さがして歩いたってめったにはない。婆さん、おれの立つときに、少々
風邪
(
かぜ
)
を引いていたが
今頃
(
いまごろ
)
はどうしてるか知らん。先だっての手紙を見たらさぞ喜んだろう。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
惣次郎もお隅には多分の祝義を遣わし折節は
反物
(
たんもの
)
などを持って来て遣る事も有るから、男振といい
気立
(
きだて
)
といい柔和温順で親切な名主様と、お隅も大切に致し、
何
(
ど
)
うも有難いと思い、或日の事
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いえ、優しい
気立
(
きだて
)
でございますから、
遺恨
(
いこん
)
なぞ受ける筈はございません。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こゝのおかみさんは、おくみの
気立
(
きだて
)
を哀れがつて、自分の血を
享
(
う
)
けたもののやうによくして下さつた。そのときには今のあき子さんがまだ五つか六つかで、下の坊ちやんはほんの赤さんであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
確固
(
しつかり
)
した
気立
(
きだて
)
、温かい
情
(
こころ
)
……かくまで自分に親くしてくれる人が、またと此世にあらうかと、悲しきお利代は夜更けて
生活
(
なりはひ
)
の為の裁縫をし乍らも、思はず智恵子の室に向いて手を合せる事がある。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お
母
(
つか
)
さんのピニヨレは
何時
(
いつ
)
も白い
紗
(
しや
)
で髪から首筋を包んで居てラフワエルの
描
(
か
)
いた聖母像を想はしめる優しい
面立
(
おもだち
)
の女だが、娘はお
母
(
かあ
)
さん程美しくは無いけれど
気立
(
きだて
)
は更に一層素直であるらしい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
気立
(
きだて
)
のやさしい、膚も心も美しい人じゃによって、継母
継児
(
ままこ
)
というようなものではなけれども、なさぬなかの事なれば、万に一つも
過失
(
あやまち
)
のないように、とその十四の春ごろから、
行
(
おこない
)
の正しい
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今更じゃないけれど、こんな
気立
(
きだて
)
の可い、優しい、うつくしい方がもう亡くなるのかと思ったら、ねえ、新さん、いつもより百倍も千倍も、優しい、美しい、立派な方に見えたろうじゃありませんか。
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“気”で始まる語句
気
気色
気遣
気勢
気持
気質
気障
気配
気味
気高