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模倣
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もほう
ふりがな文庫
“
模倣
(
もほう
)” の例文
然
(
しか
)
るに
今日
(
こんにち
)
一
般
(
ぱん
)
にこの
轉倒
(
てんたふ
)
逆列
(
ぎやくれつ
)
を
用
(
もち
)
ゐて
怪
(
あや
)
しまぬのは、
畢竟
(
ひつきやう
)
歐米文明
(
おうべいぶんめい
)
渡來
(
とらい
)
の
際
(
さい
)
、
何事
(
なにごと
)
も
歐米
(
おうべい
)
の
風習
(
ふうしう
)
に
模倣
(
もほう
)
することを
理想
(
りさう
)
とした
時代
(
じだい
)
に
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
模倣
(
もほう
)
というものはおかしいものである。友人の模倣を今度は自分が模倣した。自分に最も近い人の口調はかえって他所から教えられた。
泥濘
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
或いは年長者のすることを
模倣
(
もほう
)
したのかも知れぬが、その年十五になった者を親玉または大将と呼び、以下順つぎに名と役目とがある。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
地方人士の都会
模倣
(
もほう
)
の風潮とも合して、山の自然は見る見る破壊、損傷されて行った、いや行きつつある、加速度をもって。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
もし勝家とか、光秀とかが、この
模倣
(
もほう
)
をしたと仮定したら、火へ油をそそぐように、信長のそれは忽ち
癇癪
(
かんしゃく
)
となって爆発するにきまっている。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
あの教義をただ断片的に
暗誦
(
あんしょう
)
して博識ぶったり、あの
唐風
(
からふう
)
の詩から小手先の技巧を
模倣
(
もほう
)
してみたりしたところで何になるでしょう? 要するに僕は
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
実はこの日記文の古風なスタイルは、某文豪の日記の文体の
模倣
(
もほう
)
なのでした。彼はそれを
頃日
(
けいじつ
)
貸出台で読み
耽
(
ふけ
)
り、すっかり影響を受けてしまったという訳です。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
日本の建築が独逸のそれを
模倣
(
もほう
)
しているのは一見明白であるが、実物で無い、独逸建築の写真で見た感覚から、多く
此
(
こ
)
の抜け目の無い効果を学びとったのであろう。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかしどうして支那の感情が、そのままに朝鮮の感情であり得よう。特に著しい内面の経験と美の直観とを持つ朝鮮が、どうして支那の作品をそのままに
模倣
(
もほう
)
し得よう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
万葉以後一千年の久しき間に万葉の真価を認めて万葉を
模倣
(
もほう
)
し万葉調の歌を世に残したる者実に
備前
(
びぜん
)
の歌人平賀元義一人のみ。真淵の如きはただ万葉の皮相を見たるに過ぎざるなり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
必要としたからだ。つまり、君に、
炊事
(
すいじ
)
やそのほかの仕事をして
貰
(
もら
)
おうとおもったのだが、不幸にして君は、
模倣
(
もほう
)
の巧みな日本人だったじゃないか、一刻も、この島に置くわけにはいかん
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
今後の東京人は、たい茶漬けなんて関西の
模倣
(
もほう
)
をやらないで、堂々と
江戸前
(
えどまえ
)
のまぐろをもって、たい茶漬けに対すべきである。東京には関西のような、美味なたいがないから、なおさらである。
鮪の茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
その性格は
模倣
(
もほう
)
さえされ、愛されて、嫉妬されるほどの内的な充実と美しさを持っている修治さんに、憂欝な嫉妬と不安を私が感じないではいられないということが、なぜいけないのでしょう。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
西洋文明を
模倣
(
もほう
)
した都市の光景もここに至れば驚異の極、何となく一種の悲哀を催さしめる。この悲哀は
街衢
(
がいく
)
のさまよりもむしろここに生活する女給の境遇について、更に一層痛切に感じられる。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
きみに忠なることと、親に孝なることと友にあつきことと先輩をうやまうことは世界に対してほこる美点である、それをきみらは浅薄な欧米の蛮風を
模倣
(
もほう
)
するとは何事だ、さあ手をあげて見たまえ
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
実際、明子の素描の線が伊曾のそれの少女らしい
模倣
(
もほう
)
に過ぎない事ぐらゐ彼はとつくに見てとつてゐた。けれど伊曾としては
其処
(
そこ
)
に並々でない感受性が現はれてゐることにより多く気を取られてゐた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
模倣
(
もほう
)
に価するもののように考えられるのである。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
外人
(
ぐわいじん
)
がこれを
如何
(
いか
)
に
取扱
(
とりあつか
)
はうとも、それは
外人
(
ぐわいじん
)
の
勝手
(
かつて
)
である。たゞ
吾人
(
ごじん
)
は
斷
(
だん
)
じて
外人
(
ぐわいじん
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひに
模倣
(
もほう
)
し、
姓
(
せい
)
と
名
(
めい
)
とを
切
(
き
)
り
離
(
はな
)
しこれを
逆列
(
ぎやくれつ
)
してはならぬ。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
しかしどうして支那の感情が、そのままに朝鮮の感情であり得よう。特に著しい内面の経験と美の直観とを持つ朝鮮が、どうして支那の作品をそのままに
模倣
(
もほう
)
し得よう。
朝鮮の友に贈る書
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
盆の
門
(
かど
)
ままの行事はすでに成人が重きを置かぬようになった土地でも、彼らは
一朝
(
いっちょう
)
にしてその
模倣
(
もほう
)
を中止しなかったのみか、むしろその中の最も面白かった部分を残して
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし、流行の吸収に最も適した性質であり、
巧
(
たくみ
)
に
模倣
(
もほう
)
を容易ならしめる特質である。
異性に対する感覚を洗練せよ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もしこれを
模倣
(
もほう
)
する者あらば直ちに邪路に
陥
(
おちい
)
ること
必定
(
ひつじょう
)
なり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
それは
模倣
(
もほう
)
ではない、追従ではない。世界の作に伍して、ここに日本があると言い切ることが出来る。故国の自然と風土と、感情と理解との、まちがいもない発露である。真に一格の創造である。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
模倣
(
もほう
)
と発明との
境目
(
さかいめ
)
も立たぬほど、印象に忠実な人たちであった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“模倣”の解説
模倣(もほう)とは、
他のものをまねること。似せること。
他者の行動と同様・同類の行動をとること。
学習、さまざまな技能の習得、社会的流行など、多くのことが基本的にこのかたちをとる。
対義語は創造。
(出典:Wikipedia)
模
常用漢字
小6
部首:⽊
14画
倣
常用漢字
中学
部首:⼈
10画
“模倣”で始まる語句
模倣者
模倣品
模倣論